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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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道は完璧にフラットで、補給地点さえ設置されない短距離コースだった。退屈でもいいから、安全な大集団スプリントで終わって欲しいと、多くの関係者は願っていた。しかし、降りしきる雨は、選手たちに優しくはなかった。ゴール前3.3kmで集団落車が発生。サーシャ・モドロが区間勝利を手に入れた背後では、アルベルト・コンタドールがタイムとマリア・ローザを失った。ファビオ・アルは翌日の個人タイムトライアルを最終走者として走る権利を手に入れ、リッチー・ポートのグランツール初制覇の可能性は、絶望的なほどに遠ざかった。
逃げ切れないことは、百も承知だったに違いない。それでもジェローム・ピノー、リック・ツァベル、マルコ・フラッポルティは飛び出した。雨の中、踏切で足止めされたりもしたけれど、ゴール前17.6kmまで仲良く逃げ続けた。吸収される前には、2時間半ほど共に濃密な時間を過ごした逃げの友たちは、固く握手を交わした。そして、ナーバスの塊となったプロトンに、先頭を譲った。
最前列では、ティンコフ・サクソやアスタナが、猛烈なスピードで列車を競っていた。総合本命と、そのアシストたちは、ひたすら場所取りに固執した。大集団スプリントで終わるステージは、落車・メカトラ・分断を回避するために、先頭にポジションを確保せねばならない。今までもそうしてきたように、少なくとも、ラスト3kmのアーチをくぐるまでは……。
しかし、いつもなら3km地点まで待って、それから作業を再開するスプリンターチームが、この日は早めに前方へ競り上がってきた。なにしろ路面は水浸し。その上ゴール前6km前後には大きなカーブが2つ、5km地点と4km地点にロータリーが1つずつ、さらにラスト2kmからはカーブとロータリーの連続が待ち受けている。
「最終盤の道がトリッキーだと分かってたから、チームを早めに働かせた。前方で安全に走りたかった」(ジャコモ・ニッツォーロ、チーム公式HPより)
残り7kmでトレックが先頭を奪い取ると、凄まじい勢いで曲がりくねった道へ飛び込んだ。2度の中間スプリントでポイントを収集し(6pt+4pt)、区間勝利へモチベーションを燃やすニッツォーロを連れて、3人のリードアウトが全力疾走を始めた。他のスプリンターチームも、ライバルに遅れを取らぬよう、一斉に前へと急いだ。
「落車はいつか起こるだろうと、分かっていた。ひたすら残り3kmの表示を待った。でも、不運なことに、フィニッシュまで3200mの地点で落車は起こった」(コンタドール、チーム公式リリースより)
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