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しかし、ランダがすぐに潰しに走り、アルもユーリ・トロフィモフと共に追い付いてきた。ようやくアスタナは、数的優位を、利用し始めた。アルが加速し、ランダが加速し、アルが張り付き、ランダが張り付き……。そうこうしているうちにトロフィモフに矢のように追いぬかれてしまったこともあったけれど、ついにゴール前600m、ランダが決定的な一発を決めた。
第8ステージでも、1日中アスタナが働いた末に、ゴール前4.5kmでランダは飛び出した。しかし前を行くインサウスティに追い付けず、2位でひどく悔しい思いをした。アスタナも「一体何がしたかったのか」と大いに作戦を批判された。この第15ステージでは、少なくとも、ランダは勝った。25歳で、生まれて初めてのグランツール区間勝利を手に入れた。
「勝ちたかった。目標を達成できたことで、心が軽くなった。今日の作戦は、どちらかが最終的に飛び出せるまで、アルと僕とが、順番にコンタドールにアタックを仕掛けることだった。スプリントにもつれ込んだら、僕が少し強いかな、と思っていたけれど、最終的には僕にとってベストな形が作れた」(ランダ、公式記者会見)
アルにとっては、決してベストではなかった。トロフィモフが2位に滑り込んだ後、区間3位はコンタドールにさらわれた。もちろんボーナスタイム4秒を献上し、ゴールタイム自体も1秒差を付けられた。つまりは、チームメートを大いに働かせた結果、総合タイムをまた新たに7秒失った(2分28秒→2分35秒差)。一方のランダは、4分46秒差の総合4位につける。
「僕の調子はいいけど、コンタドールから5分を奪おうと思ったら、『カンピオニッシモ』じゃなきゃできないよ。不可能だとは言いたくないけれど、ほぼ不可能だ。だからまずは、アルのポジションを守っていくほうが簡単だ。そして彼の調子が良い日に、コンタドールを倒しに行く。だって遅れは2分半しかないんだから」(ランダ、公式記者会見より)
同じスペイン人の勝利を賞賛しつつ、コンタドールは、2度目の休養日をピンク色で迎えられたことに喜びを隠せない。2週間前に海岸線から走りだし、ドロミテにたどり着いた174人の選手たちも、山間の村でつかの間の休養を楽しむ。
「まだ先は長いし、誰にでもいい日もあれば、悪い日もある。でも今現在の僕は、とても良い調子だから、本当に嬉しいんだ。たしかにアスタナは、2人の好調な選手を抱えている。だから僕は各ステージを、これからも慎重に戦っていかなければならない。もしかしたら、守備的に走る代わりに、アタックする必要があるかもしれない。脚の調子さえ良ければね」(コンタドール、公式記者会見より)
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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