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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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1998年にジロ&ツールのダブルツール制覇を成し遂げたマルコ・パンターニが、翌年に人生最後のジロ区間勝利を上げたのが、このマドンナ・ディ・カンピリオだった。そして翌日、マリア・ローザを着たまま追放されて……。喜びと悲しみ、両方の思い出が残された特別な山を、バスク人のミケル・ランダが勝ち取った。圧倒的な数的有利に持ち込んだアスタナの高速列車に、1人で耐え続けたアルベルト・コンタドールは、マリア・ローザを悠々と守り切った。
ティンコフ・サクソはどうしても飛び出したくて、アスタナがどうしても飛び出させたくなかった。スタートからの高速アタック競走は、総合首位と2位を擁する2大チームの、睨み合いの場となった。バトルは1時間以上も続いた。大きな集団のまま2級峠に差し掛かり、エスケープ集団よりも先に……、グルペットが出来上がったほど!
それでもスタートから54km、2級峠への上り坂で、ようやくジョヴァンニ・ヴィスコンティとイルヌール・ザカリンが逃げ出した。山岳賞ジャージ姿のベナト・インサウスティもすぐに合流した。
ところが、後を追って飛び出した小さな集団は、恐ろしい勢いで迫ってきたティンコフ軍に飲み込まれてしまった。そして、インサウスティが何事もなく平安に山頂1位通過を果たした後、ティンコフはまんまと前方へ1人送り出すことに成功する。下りを利用して、セルジオ・パウリーニョが逃げの3人へと追いついた。
敵の抜け駆けを、もちろん、ファビオ・アルが許すわけもなかった。水色の隊列は猛烈にスピードを上げ、自陣からディエゴ・ローザを仕向けた。ユベール・デュポンを含む3人が行動を共にし、さらに2人が追い付いてきた。先頭集団は10人に膨れ上がった。
ティンコフとアスタナから、逃げに1人ずつ。しかし、その2人は、まるで働こうとしない。エスケープのメンバーにとっては迷惑な話だったに違いない。30kmくらい一緒に走り、タイム差が3分差程度にしか開かないと分かった時点で、反応は真っ二つにわかれた。ヴィスコンティ、カンスタンティン・シウトソウ、デュポン、そしてブレント・ブックウォルターは、再度アタックをかけて先を急いだ。取り残されたその他選手は、黄色と水色の人と共に、ゆっくりと後方集団の復帰を待った。
両チームのせめぎ合いは延々と続いた。10人の逃げが行ってしまってからは、ティンコフが残り8人で隊列を組み、集団制御を精力的に務めた。パウリーニョとローザを回収し、1級ダオーネ峠へと突入すると、ゴールまで残り37km。いよいよアスタナ山岳列車が発動した。
すでにリッチー・ポートは、メイン集団から退却していた。アスタナのパオロ・ティラロンゴが猛烈な牽引を始めると、今度はリゴベルト・ウランがついていけなくなった。2週間前のジロ開幕時には、コンタドールやアルと並び、2人は総合優勝の大本命に上げらていた。しかし、落車やメカトラ、ペナルティ等々でタイムを大幅に失い、前日の個人タイムトライアルで完全に優勝争いから脱落した。そして、この日……、2人の総合トップ10入りさえも怪しくなった。
「今日はスタートから調子が良くなかった。最初の登りでも、メイン集団に留まるためにもがき苦しんだ。それから、ダオーネ峠の加速で、ついていけなくなった。力を振り絞ることが出来なかったし、呼吸さえ上手くできなかった」(ウラン、チーム公式リリースより)
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