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【ボルタ・ア・カタルーニャ:レビュー】イネオス・グレナディアーズが総合ワン・ツー・スリーフィニッシュ!頂点に立ったアダム・イェーツ「表彰台からの景色が素晴らしい」
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介美しい景観
総合争いの形勢がはっきりし始めた大会後半は、逃げグループに先導させたり、スプリントに執念を燃やすチームにレース構築を任せたりと、スマートかつセーフティーに最終目的地・バルセロナへと到達。最後の最後まで何が起こる変わらないから、フィニッシュラインを通過するまで気を抜かずに走り続けたとはいえ、少なからず総合トップ3の座が脅かされるような場面は発生しなかった。
「最高の1週間だった。大きな野心を持ってスタートしたけれど、終わってみればワン・ツー・スリーフィニッシュ。これ以上ない結果になった。完璧なチームパフォーマンスだったよ」(アダム・イェーツ)
チームとしての「勝利」はもとより、アダム個人にとっても特別な大会になりそうだ。2年前、今回と同様にピレネーの難所であるバルテル2000を征服しながら、続く山岳ステージでライバルから遅れたことが影響し最後の最後までトップに立つことができなかった。その悔しさを忘れてはいなかった。
「この大会に戻ってきて良かったと心から思っている。表彰台の中央からの景色が素晴らしかった。チームメートが左右に立ったことも、達成感をより大きなものにしている」(アダム)
今大会には、いまをときめくグランツールチャンピオンのタデイ・ポガチャルやプリモシュ・ログリッチは参加していなかった。それぞれティレーノ~アドリアティコとパリ~ニースを走って休養に入っていたから、イネオス陣営との直接対決はお預け。ただ、いずれにせよイネオス・グレナディアーズは、昨年手放してしまったツールの覇権奪還に向け、一度目の「予行演習」を大成功させたことは確かである。
そして、二度目、三度目と繰り返していく演習では、立ちはだかる難敵をいかに攻略していくかがテーマとなる。
普段はログリッチの護衛役であるセップ・クスは「彼らの戦術は今のプロトンにおけるスタンダード。僕たちもメンバーがそろえば十分に戦うことができる」と牽制する。個人総合12位に終わった彼は、現状のコンディションと、このレースへのチームの注力具合の差がリザルトに表れたと分析。戦力が整えば自分たちだってレースを支配できる、そう確信している。
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