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【ボルタ・ア・カタルーニャ 第6ステージ:レビュー】数少ないスプリントステージを逃さなかったペーター・サガン「難しい時期を乗り越えた実感がある」
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介アダム・イェーツ
「何もする必要のない1日だった。トラブルにさえ注意していれば良いだけだったからね。明日のバルセロナステージは確実に厳しいものになるだろうから、そのためにエネルギーの節約を最優先したよ」(アダム・イェーツ)
そう、ボルタ・ア・カタルーニャの名物がまだ残っているのだ。伝統のバルセロナステージには、モンジュイックの丘(登坂距離2km、平均勾配5.7%、最大勾配8%)が最後の砦として立ちはだかる。バルセロナ五輪ではマラソンの勝負どころになり、過去のブエルタ・ア・エスパーニャ、ツール・ド・フランスでもレースを動かす局面になった上りを、今大会では6回めぐる。
難所でありながら、プロトンがハイペースで丘へ突っ込むのはもはや「恒例行事」。そんなことだから、波乱がよく起き、思いもよらないクラッシュも後を絶たない。
「モンジュイックの周回コースは容赦ない。上りはハードだし、下りはトリッキー。休む間がまったくないんだ。本当にタフなサーキットで、何が起きるかも分からない。僕にアドバンテージがあるとするなら、何度か走ったことがあってその難しさを知っていることくらい」とアダム。リーダージャージの確保、そして総合表彰台独占のためには、自分たちでレースをコントロールすることが一番の手立てであることは理解をしている。
捨て身の攻撃に出る選手・チームに対して、イネオス・グレナディアーズはいかにして対処していくのだろうか。ボルタ最終日は、「勝負の行方は最後の最後まで分からない」ステージレースの在り方を体現する1日になるはずだ。
文:福光俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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