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【ボルタ・ア・カタルーニャ 第6ステージ:レビュー】数少ないスプリントステージを逃さなかったペーター・サガン「難しい時期を乗り越えた実感がある」
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介すべては最後の100mで決まった。上り基調の最終局面は、早めの仕掛けでは何の効果ももたらさない。だからスプリントに集中した選手の多くがほぼ同じタイミングで加速をしたが、その中でも頭ひとつ抜けていたのがサガンのスピードだった。昨年はなかなか勝てず10月まで時間がかかったが、今年は早い段階でまず1つ、星を確保した。
「ティレーノ~アドリアティコとミラノ~サンレモを走って、休みなしでこの大会に臨んでいる。2カ月前を思うと、良いスタートを切ることができているのではないかな。いまは、難しい時期を乗り越えた実感があるよ」(サガン)
1月にグラン・カナリア島で行っていたトレーニングキャンプ中に、新型コロナウイルス感染が発覚。軽度ながらも症状が出て、回復後の活動にも支障をきたした。「軽い運動をするにもすぐに疲れが出てしまうんだ。結局何もできずに寝ているだけ。陰性になってからも2週間以上はそんな日々が続いた」。シーズンインが3月までずれ込み、本来であればこの時期走っているはずの北のクラシック数戦も回避。直近の目標であるロンド・ファン・フラーンデレンやパリ~ルーベのために、大急ぎで仕上げようとカタルーニャへ乗り込んでいた。
もっとも、ミラノ~サンレモで4位となるなど、調子が上がっている手ごたえはつかんでいたから、あとは復調を確信できれば十分だった。今大会、さすがに超級山岳の上りはきつかったけれど、狙いを定めたこのステージできっちり勝てたことで、ミッションは果たされた。ステージはあと1つ残ってはいるが、いずれにしても明確な使命感とともに、このレースを終えられそうだ。
タフなステージをこなしてきた選手たちにとっては、恵みの「移動ステージ」になった。スプリント狙いのチームがレースを組み立ててくれたおかげで、イネオス・グレナディアーズはリーダーチームとしての責務から少しばかり解放された。それでいて、アダム・イェーツのリーダージャージ、さらにはリッチー・ポート、ゲラント・トーマスとで固める総合トップ3も安泰だというのだから、ラッキーデー以外の何物でもない。
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