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【ボルタ・ア・カタルーニャ 第5ステージ:レビュー】連日のチャレンジを実らせたレナード・ケムナ「アタックが決まった瞬間は最高の気分だった」
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介レナード・ケムナ
勝利のためなら何度だって挑戦を繰り返す。
思えば、昨年のツール・ド・フランスでもそうだった。フィニッシュ目前でライバルに先を行かれ敗れた3日後、自らの力でリベンジを果たしてみせた。舞台が変われど、その気持ちと走りの姿勢、そして勝利に対する執念は一貫している。
4日前の第1ステージで、終盤形成された逃げに乗りながら、あと一歩で優勝を逃していたレナード・ケムナ。大会初日のリーダージャージ着用は逃してしまったが、それからはステージ優勝にひたすらフォーカス。個人タイムトライアルの第2ステージを除き、毎日アタックしては前線をうかがっていた。
それが影響してか、この日はスタートから脚が動かずペダリングに苦心していたという。「無理やりスピードを上げて」たどり着いたという先頭グループ。大人数を嫌って飛び出す選手がたびたび現れたが、まったく反応ができなかった。フィニッシュまで50km以上を残して独走に持ち込んだレミ・カヴァニャもできることなら追いたかったが、脚に力が入らなかった。
一時は他の逃げメンバーに1分30秒近いリードを奪ったカヴァニャだったが、彼のペースダウンに合わせるかのように、ケムナの周囲では追撃ムードが高まっていった。やがてステージ優勝争いは逃げメンバーのものとなっていき、駆け引きも活性化。この日最後のカテゴリー山岳である1級ポルト・デ・モントセラトの頂上でついにカヴァニャを捕らえると、勝負はフィニッシュまでのダウンヒルにゆだねられた。
このレース展開がケムナに味方した。あとは最終局面までスピードに乗せるだけだったし、何より我慢の走りを続けている間に調子が上がってきたことを感じていた。
「先頭グループ内では互いを見合っていて、みんな上手くいかないことにイラ立っていたんだ。周りの冷静さが失われつつある時こそトライするタイミングにふさわしいと思っている。アタックが決まった瞬間は最高の気分だったよ」(レナード・ケムナ)
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