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【パリ~ニース 第5ステージ:レビュー】王道を行くスプリントトレイン!ウルフパック劇場でサム・ベネットが2勝目「みんなが最高の仕事を成し遂げてくれた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「なにもすべきことのない時にこそ、なにかを仕出かしてやりたいと思うもの。サプライズアタックを繰り出すのは最高さ。すごく強力な集団が出来上がったから、もしかしたら上手くいく可能性だってあった。とりあえず15秒差さえつけられていれば、状況は違っていたはずだ」(ナーセン)
ちょうどトイレ休憩の直後だったせいで、プロトンは軽いパニックに襲われた。しかし完全に眠り込んでいたわけでもなかった。すぐさまボーラ・ハンスグローエやEFエデュケーション・NIPPOが追走を編隊。またイヴ・ランパールトやティム・デクレルクは..後方にスプリントエースを残してきたベネット隊列の一員であるからして、本当の意味では逃げに協力してはくれなかった。この日唯一の試みは、7km先であっさり終わりを告げた。
ひたすら南を目指してきた一行は、残り50km、突如として進路を東に変えた。そこからは幾度もの方向転換が待ち構えた。速度こそそれほど上がらなかったが、集団内の緊迫感は急速に増していく。
ログリッチとトニー・マルティン(写真中央)
そして残り37km。住宅地のうねる細道で、落車が起こった。車道と自動車路とを分けるプラスチックのポールにトニー・マルティンが衝突し、段差のある歩道に叩きつけられたのだ。背後を走っていたログリッチも巻き込まれたが、総合リーダーは幸いなにごともなくすぐに自転車にまたがった。残念ながらマイヨ・ジョーヌ護衛役は、右肘骨折で即時リタイア。残す3日間の山岳バトルを、ユンボ・ヴィスマは6人で切り抜けなくてはならない。
「幸運にも僕は全く問題ない。ただ悲しいだけ。だってマルティンが僕らの元から去って行ったんだから。でも、これが自転車さ。個人的には僕の調子はいいし、このまま続けて行きたい」(ログリッチ)
総合首位がひたすら安全にフィニッシュを目指した一方で、ライバルたちは、またしても秒数稼ぎに精を出した。2度目の中間ポイントでは、チームランキング首位+個人総合トップ10圏内に3人を有するアスタナが大いに励む番だった。ルイスレオン・サンチェスの牽引で、総合5位・43秒遅れのイオン・イザギレが1位通過。ボーナス3秒を収集した。またしてもシャフマンは2秒をかすめ取り、今回はチームメートではなく、この日が27歳の誕生日のベノート自らが1秒を回収。
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