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【パリ~ニース 第4ステージ:レビュー】プリモシュ・ログリッチが圧巻の独走勝利「今日の僕には勝ちで締めくくれるだけの最高の脚があった」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかきっかけは残り3.5kmのピエール・ラトゥールのアタックだったのだろうか? それとも、しばらく前からうずうずしていたマイケル・マシューズと同じように、直後の中間ポイントでのボーナスタイム収集も頭の片隅にあったのか(残念ながらマシューズは4位通過)。多くのライバルたちは「完璧なタイミング」と絶賛し、一方では「驚かされた」との声も上がる。
とにかくフレンチクライマーの2度目の加速に飛び乗ったログリッチは、あっさり追い越すと、そのまま脇目も振らずにぐんぐん山の上を目指し始めた。
強烈なアタックでライバルを置き去りにした
「絶好機だと感じたからさ。昨日すでに好調さを披露できたと思うけど、今日の僕には勝ちで締めくくれるだけの最高の脚があった。トレーニングキャンプで十分な練習を積めてきたことを、改めて確認できた」(ログリッチ)
取り残されたライバルたちは、慌てたり、顔を見合わせたりと、追走の足並みは一向に揃わない。そもそも後方を気にする必要などないほど、ログリッチはひたすら超然とペダルを回し続けた。たった1人で山頂に姿を現すと、春の空へと両手を突き上げた。
「素敵な勝利だし、最高に嬉しいよ。しかも今日はチームが2つの勝利を挙げたからね!」(ログリッチ)
そう、お隣イタリアで開幕したティレーノ〜アドリアティコで、初日大集団スプリントをワウト・ファンアールトが制した。勝利も、総合リーダージャージも、この日はユンボ・ヴィスマが完全に独占してしまったというわけだ。
12秒後に山頂に滑り込んだのは前年度覇者マキシミリアン・シャフマン。昨ブエルタ山岳賞ギヨーム・マルタンが3位に、昨ジロ覇者ジャイ・ヒンドリーのアシストを受けたティシュ・ベノートが4位に食い込んだ。果敢に追走を仕掛けたアレクサンドル・ウラソフは5位で終えた。
シャフマンは総合でも2位に駆け上がった。総合首位ログリッチとの差は35秒。また総合3位には前日TTで好走したブランドン・マクナルティが37秒差につける。アスタナからは4位にウラソフ、5位イオン・イザギレ、9位サンチェスと3人が総合トップ10圏内に並び、一方で2人のリーダーを失ったイネオスは、ディラン・ファンバーレの19位が最高位。
この1日だけで7人が大会を後にしたが、中でもコービー・ホーセンスはコース上に止まっていたチームカーに激突。一時的に意識を失ったという。救急病院に運ばれたが、顔に数箇所の怪我を負っただけで、幸いにも脳震盪や骨折はなかった。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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