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サイクル ロードレース コラム 2021年3月8日

【ストラーデ・ビアンケ:レビュー】驚異的加速でマチュー・ファンデルプールが全てを蹴散らした「彼らを直接対決で退けられたことが、この勝利を価値あるものにしてくれる」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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直後にまたしてもドゥクーニンクが動いた。この時はエース自らが加速を切った。フィニッシュまで残り約50km。同セクターーの真ん中に待ち構える、サンテ・マリエの勾配10.3%の上りで、アラフィリップが自慢のパンチ力を炸裂させた。世界チャンピオンがライバルたちを一気にふるいにかけ、ただ8人だけが共に先を続けることを許された。

「いつもどおり、やはりサンテ・マリエで、強豪が飛び出した。僕はすごく調子が良かったから、一緒に前に行ったんだ」(ファンデルプール)

それにしても、出来上がったのは、なんという超エリート集団だったろうか!

ケヴィン・ゲニッツこそかろうじてルクセンブルクロードチャンピオンジャージを着ていたが、プロ0勝のミヒャエル・ゴグルにとっては……この集団に食い込んだことだけでも快挙だったに違いない。

超エリート集団

超エリート集団

なにしろロード世界王者アラフィリップに、シクロクロス世界王者ファンデルプール。元シクロ世界チャンピオンにして、昨季ロード・TT・シクロで世界2位のファンアールトに、現マウンテンバイク&元シクロクロスのU23世界王者トーマス・ピドコック、さらには1年半前のジュニア世界王者でわずか19歳のクイン・シモンズ。その上ツール・ド・フランスの過去2年の覇者、ポガチャルとエガン・ベルナルさえいた!

これぞ天下一決定戦とでも言うべきか。脚質やカテゴリーを超越したチャンピオンたちの殴り合い。まるで少年漫画のようなシナリオだが、しかし、これは現実なのだ。

「このレースは、たしかに、モニュメントよりは格が落ちるのかもしれない。でも、今日ボクが戦った顔ぶれを見れば、それ以上と言ってもいい。あらゆるトップ選手が、ひとつのレースでバトルを繰り広げた。そこにはグランツール総合覇者だって含まれた。彼らを直接対決で退けられたことが、この勝利を価値あるものにしてくれる」(ファンデルプール)

ただその後しばらくは、王者たちには自らの力を誇示し合う余裕も、一息つく暇もなかった。背後から、出遅れたヤコブ・フルサンやティム・ウェレンスが、鬼気迫る勢いで追いかけてきていたからだ。しかも、わずか15秒差ほどのぎりぎりの綱引きは、ここから延々25km以上も続いた。16人のアタックにも紛れていたゲニッツが脱落し、シモンズが無念のパンクで後退したが、残す7人はひたすら猛スピードで先頭交代を繰り返した。

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