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サイクル ロードレース コラム 2021年3月4日

【3.6開幕 ストラーデ・ビアンケ:プレビュー】未舗装路が舞台の熱き戦い「白い道」。最難関の第8セクターを攻略して栄光を掴むのはどの選手か。

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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もちろんフィナーレはおなじみ、シエナ旧市街を舞台にした古式ゆかしき戦いだ。残り2kmから緩やかに道は上り始め、残り1kmで、突如として平均勾配12.4%・最大勾配16%の激坂に変わる。しかもフォンテブランダ門をくぐった先のラスト800mは、ユネスコ世界遺産に登録された、古く狭い石畳の路地だ!

ラスト500mで道はようやく下り基調に転じるのだが、もしも最後の最後まで勝負がもつれ込んだ場合は、4つの急カーブと位置取りが運命を左右するはずだ。そして2021年も、英雄は、中世の名残を残すカンポ広場で誕生する。

ディフェンディングチャンピオンのワウト・ファンアールト

ディフェンディングチャンピオンのワウト・ファンアールト

悪路に強く、激坂を登れて、下り技術もある。そんなチャンピオン像に現プロトン内で最も近いのは、やはりディフェンディングチャンピオンのワウト・ファンアールトだろう。なにしろ3度の参戦で3度とも表彰台に上がってきた、まさに得意中の得意とするコース。このところ2連敗中ーーツール・デ・フランドルとシクロクロス世界選手権ーーの宿敵マチュー・ファンデルプールとの、熾烈な睨み合いにも注目したい。

グレッグ・ファンアーヴェルマートも過去10回参戦し、トップ10圏内8回、2位が2回と、このグラベルコースを知り尽くしている1人。ヤコブ・フルサンやティム・ウェレンス、ティシュ・べノート、ダヴィデ・フォルモロといった近年の表彰台経験者と並んで、ワールドツアー化以前に2度表彰台に上ったアレハンドロ・バルベルデもまた、人生最後のストラーデ・ビアンケへやってくる。

今シーズン開幕からの1ヶ月で、手が付けられないほど絶好調なのが、2年前の覇者ジュリアン・アラフィリップとその仲間たち「ウルフパック」。やはり好調バウケ・モレマ&トレックも、極めて危険な存在になりそう。グランツール覇者のエガン・ベルナル、タデイ・ポガチャル、サイモン・イェーツもまた、1日限りの戦いに挑む(バルベルデも一応この区分に入る)。

ところでストラーデ・ビアンケへ乗り込む選手たちにとって、最も気になるのは、やはり未舗装路の状態だろう。2月下旬からイタリアは好天続きで、気温も高かったため、白い道はもうもうと砂埃につつまれる..と予想されていた。ところが直前の気象情報によれば、レース前日の金曜日の夕方から雨。もしかしたら当日も降るかもしれない。すると2018年大会のような、泥んこレースになる可能性もはらんでいる。

地元っ子たちにとっては、全地球上の自転車ファンと同じように、今年はお家でテレビ観戦の機会だ。シエナ県は2月27日、新型コロナウイルス感染防止対策における「レッドゾーン」に指定された。ストラーデ・ビアンケは予定通り開催されるが、一般市民の不要不急の外出や都市間移動は禁じられている。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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