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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第17ステージ】奇妙なシーズンの、美しきフィナーレ。ログリッチが2年連続のマイヨ・ロホに「僕こそが最強で、僕らのチームこそが最強だった」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかここでもまた、アーミライが見事な仕事を成し遂げる。「あらん限りの力を尽くした。できる限り長く前を引いた。自分の最大限を尽くした」おかげで、前の3人との差を保ちつつ、ゴデュはぎりぎりまで体力を温存した。そして同僚の献身に結果で報いるべく、残り7km、勾配10%ゾーンの突入と同時にクライマーは加速に転じる。
すぐに大多数のライバルは振り落とされた。ただ青玉ジャージ姿のギヨーム・マルタンだけが……2日前にすでに山岳賞首位を確定させ、この日はひたすら区間勝利のためだけに逃げていた同朋フランス人だけが、後輪に張り付いてきた。4年前のツール・ド・ラヴニール総合覇者は、さらにスピードを上げた。強い向かい風の中、すでに7度も逃げてきたマルタンは力尽き、ゴデュは大急ぎで前を行く3人を追い始めた。
やはり第6ステージで山頂フィニッシュを制したイザギレが、ライバル2人を置き去りにし、独走に持ち込んでいた。しかし1度目の勝利の朝まで不調に悩んでいたゴデュは、まるですべてが吹っ切れたように、軽やかに山を駆け上がった。残り4.5kmでついに敵に追いつき、そのまま追い越した。いつしか雲さえも追い越した。陽光に照る標高1965m地点へと、晴れやかな笑顔でたどり着いた。
「今朝バスの中で考えたんだ。(ティム)ウェレンスは2勝した(第5・14ステージ)。(ベン)キングも2つ勝ったし(2018年)、ティボー(ピノ)だってやっぱり1大会で2勝してる(2018年)。だったら……僕だって勝てるんじゃない?今日がその日じゃないかな?って」(ゴデュ)
1回目と同じように、この日もゴデュは山頂でハートを描いた。プロ入り4年目にして、初めてのシーズン複数勝利。またチームにシーズン25勝目を献上し、グルパマのゼネラルマネージャー、マルク・マディオからは「極めて正確に目標を射止めた」とお褒めの言葉を頂戴したのだった。
ユンボの導くメイン集団は、逃げから約4分遅れで、最終決戦の地コバティーヤへと取り掛かった。いまだマイヨ・ロホの側をアシスト3人が固めていた一方で、3位ヒュー・カーシーと5位マスはもはや1人ずつしか助けを残していなかったし、2位カラパスと4位マーティンに至っては早くも孤軍奮闘を強いられていた。
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