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サイクル ロードレース コラム 2020年11月6日

【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第15ステージ】八重苦の難ステージでジャスパー・フィリプセンがグランツール区間初勝利「この時が来るのをずっと待っていた」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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走行中のプロトンには、すでにフィニッシュ手前3kmでのタイム計測が通知されていた。残り2km地点の路面に油が浮いていたからだ。この知らせは間違いなく総合勢をほっとさせた。なにしろ最終2.5kmにはいくつもの急カーブが待ち構えている。2016年第7ステージでまったく同じフィニッシュが使用された時には、お天気は最高に良かったというのに..残り500mの直角カーブでアルベルト・コンタドールが落車している!

「おかげで必要以上にリスクを冒す必要がなくなった。あの決定は大歓迎だった」(ログリッチ)

赤いジャージを筆頭に、総合勢が揃ってペダルを漕ぐ脚を緩めた一方で、35人ほどの選手たちは高速でフィニッシュへと突き進んだ。

ラスト1kmではミッチェルトン2人が先頭に並んだ。ドゥクーニンク・クイックステップの名発射台ミケル・モルコフは、ベネットを背負う代わりに、ヤニック・シュタイムレを連れていた。すでに1人となっていたアッカーマンは、残り250mからは、このモフコフの背中にただ乗りした。シュタイムレが、急速に上がり始めたフィリップセンの背後に乗り移っていたからだ。そして肝心のフィリップセンはと言えば、最後まで守ってくれたイヴォ・オリヴェイラの後輪を勢い良く飛び出した後、やっぱりちょっとモルコフの背中に立ち寄った。

ラスト150mはモルコフの庇護下を飛び出した3人の直接対決。ゆるい右カーブの内を素早く突いたフィリップセンが、一瞬早くフィニッシュラインへと滑り込んだ。ハンドルを投げた2人を蹴散らし、灰色の空に拳を突き上げた。

ジャスパー・フィリプセン

ジャスパー・フィリプ

「1日の始めには集団スプリントで終わるなんて信じていなかった。逃げが強力だったからね。でも時間がたつにつれて、徐々に信じ始めた。こういった上りフィニッシュは好き。ただ今日みたいに、あまり厳しすぎない上りがいいね。今日のコースは本当に僕に向いていた」(フィリップセン)

フィリップセンにとっては生まれて初のグランツール区間勝利。おかげでUAEチームエミレーツは、EFエデュケーションファースト、ボーラ・ハンスグローエに続き、2020年のグランツール全てで区間勝利を手にした3つ目のチームとなった。

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