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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第13ステージ】悪夢を拭い去る好走で今大会4勝目!ログリッチ「この先も集中し続けなきゃならない」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかもちろんパンクやメカトラや、その他もろもろの理由で、この場所以外での自転車交換も禁止はされていない。ただその際はチームカーに積んである自転車を使用し、交換作業はチームカーに乗っているスタッフの手で行われねばならない。総合5位のエンリク・マスはこの手法を選択した。
ツール第20ステージの平地+激坂タイムトライアル(区間6位)では、あえて自転車を変えなかったレミ・カヴァニャだが、今回は規定のゾーンで自転車を変えた。フランス個人TTチャンピオンは前を走る選手を平地で3人、上りで2人追抜き、望み通り暫定首位に立った。しかしツール時は約3時間温めたホットシートを、ほんの1時間足らずでネルソン・オリヴェイラに譲り渡すことになる(カヴァニャは最終的に8位)。
ポルトガル国内TT王座に過去4度君臨してきたオリヴェイラは、なにより2017年世界選TT、つまり前半27.6km平坦+最終3.4km激坂という極めて似たようなコースで、トム・デュムラン→ログリッチ→フルームに次ぐ4位に食い込んだこの種の道のスペシャリストである。2つある中間計測ポイントはおろか、フィニッシュでも軽々とトップタイムを塗り替えた。
ところが20分後に出走したウィリアム・バルタが、中間計測で2度ともに、オリヴェイラと同タイムを叩き出す。プロ3年目にしていまだ未勝利ながら、ログリッチが制した昨ロマンディ個人TTでひと桁順位に食い込むなど、24歳のアメリカ人は孤独な戦いには長けていた。上りだって決して苦手ではない。アングリル山頂には25位でたどり着いている。この日の激坂のてっぺんにたどり着く頃には、オリヴェイラ(区間3位)を9秒も突き放していた。バルタは46分40秒56で堂々トップを奪った。
「このタイムトライアルは、僕にとって今大会における最大の目標だった。序盤はかなりの平坦だったけど、実際は、向かい風のせいで大いに努力を要した。ペダルを緩めることができる場所なんて一切なかったよ。最後の上りはまさに『壁』。最後の1kmはひどく骨が折れた」(バルタ)
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