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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第11ステージ】ダヴィ・ゴデュが歓喜の雄叫び!翌日に控える魔の山アングリル「殴り合いのバトルが起こるだろう」(ログリッチ)
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかダヴィ・ゴデュ
魔の山アングリルを翌日に控え、総合勢はほとんど動きを見せなかった。代わりにステージ前半は山岳ジャージ争いが加熱し、最終盤はスリリングな区間争いが繰り広げられた。フィニッシュの山頂ではダヴィ・ゴデュが歓喜の雄叫びを上げ、ギヨーム・マルタンは山岳ポイントを、マルク・ソレルはタイムをそれぞれ望み通りに手に入れた。
「ほっとして叫んじゃった。数日前から脚が痛かったし、上手く行かなくてもやもやしてたからね。でもついに勝つことができた。本当に最高だよ」(ゴデュ)
厳しい調子で語るクリス・フルームの声が、テレビ画面越しにもはっきりと聞こえた。「昨日あなたたちはレース後にルールを変えたんだ」と。スタートラインに集結した2020年ブエルタ・ア・エスパーニャの選手たちは、仮スタート前に抗議を行った。前日第10区間のタイム計測方法がルールブック記載の「分断3秒まで同集団とする」から、「1秒」へと予告もなく変更されたからだ。そのせいで予期せぬマイヨ・ロホ交代劇はもちろん、総合トップ10だけでも7人が分断の被害を被った。選手間で不満が噴出し、CPAプロ自転車選手協会を通して話し合いを持ったとのこと。数分の象徴的ストライキのあと、選手たちはレースへと走り出した。
スペインに万聖節の週末が訪れ、ブエルタにマイヨ・ロホ争いを大きく左右する山頂フィニッシュ2連戦がやって来た。ただ5つの山が待ち構える今区間は、むしろ山岳「青玉」ジャージにとって極めて重要な1日となった。すべての峠を先頭で通過すれば、なにしろ大量43ptが手に入る。
アタックが乱れ飛ぶ中、ロット・スーダルが率先して動いた。大会1週目に山岳ジャージを2日間着用したティム・ウェレンスを前方へ送り出すため、代わる代わるチームメートが力を尽くす。おかげでスタートから9km地点に構える3級峠で、ウェレンスは単独で飛び出した。ひとりですぐに追いかけたのは、4日前から青玉で過ごすギヨーム・マルタンだ。ただし全力で飛ばすライバルをどうしてもとらえることができない。首位通過ウェレンスは手持ちの19ptに3ptを加算し、背後でマルタンは2pt収集に甘んじた。
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