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サイクル ロードレース コラム 2020年10月31日

【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第10ステージ】31歳の誕生日翌日に掴んだ勝利!ログリッチ「1つ年をとって、その分さらに強くなった」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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あらゆる強豪が入り乱れる集団を、しかしドゥクーニンクが制御することなどもはや不可能だった。目まぐるしく先頭は入れ替わった。残り2km、道が上り始めた途端に、パウル・マルテンスがど真ん中で坂道を駆け上がった。背中にはログリッチがぴたり張り付いていた!

「最終盤はテクニカルでひどく危険だった。だから第一の目標はタイムを失わないことだったんだ」(マルテンス)

すぐにカハルラルが最前列に押し込みをかけた。残り1kmを切るとオマール・フライレがアランブルを引き連れてがむしゃらに突進した。ようやくスティバルが仕事に乗り出すも、残り500mの左カーブめがけて、今度はギヨーム・マルタンが猛烈なアタックを試みた。

母国フランスはこの日から2度目のロックダウンに入った。「スペインでレースを続けられることがどれほど恵まれた環境なのかを自覚し、感謝する」と語る哲学者マルタンは、だからこそ「手ぶらでスペインを去りたくない」と連日果敢に攻め続ける。

「400m、300m……まだ僕は一番前にいた。脚にもいまだ力は残っていた。勝利を信じた」(マルタン)

残念ながらフィニッシュ手前150mで、マルタンの努力は無に帰す。山岳「青玉」ジャージの作り出した穴を精力的に塞ぎに走ったのは、赤ジャージのカラパスであり、総合6位フェリックス・グロスチャートナーであり、バジオーリだった。ところが、ゆるい右へのうねりで開いたオープンスペースから素早く先頭へと躍り出たのは、緑ジャージのログリッチだった!

誰ひとりとして後輪に飛び乗ることはできなかった。背後には埋めきれない空間が広がり、ただ悠々とログリッチは今大会3つ目の区間勝利を手に入れた。

「1つ年をとって、その分さらに強くなった。ワインと同じで、古いほうがいいんだよ」(ログリッチ

31歳の誕生日の翌日にやってきた勝利には、サプライズのおまけさえついていた。

この第10ステージは「集団フィニッシュが予測されるステージ」に分類されている。通常であれば3秒以上の分断が発生しない限りは「同一集団」とみなされ、集団内の選手には同タイムが与えられる。ところが審判団はログリッチ以下区間8位マルタンまでを同一集団とし、9位以降を第2集団として扱った。

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