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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第10ステージ】31歳の誕生日翌日に掴んだ勝利!ログリッチ「1つ年をとって、その分さらに強くなった」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかどうやらこの加速は、「お天気もよく、景色も最高。でもミッチェルトンとアスタナが引き始めたせいで、あまり楽しめなかった」と総合5位エンリク・マスをがっかりさせたようだ。なによりベネットを苦しめた。残り60km前後、唯一の山岳(3級)にさしかかると、早くも今ツールのマイヨ・ヴェールは集団後方で喘ぎ始めた。
やはりバジオーリの証言によれば、ベネットは「調子が良くなかった」。すぐにB計画が発動する。チームメイト7人全員が前で隊列を組み続け、ただスプリンターは最後尾で孤軍奮闘するしかなかった。必死にしがみついたが、残り26kmで、ついには完全にプロトンから脱落した。最終的には仕事を終えて合流してくれたイアン・ガリソンと共に、区間最下位157位で1日を終えている。
残り16kmで逃げが吸収されると、クレイジーな時間が始まった。ありとあららゆるチームが神経質に前線へと競り上がった。イネオス・グレナディアーズもカラパスを連れてポジション取りに夢中になり、ウィリー・スミットが大胆に前方へと飛び出したこともあった。
なにより「クレルモンフェランのTGV」の大きな一発が、集団をめちゃくちゃに引っ掻き回した。残り10kmでカヴァニャは飛び出し、すぐさまイヴォ・オリヴェイラも後輪に飛び乗った。数秒ほどしか引き離せなかったかもしれない。しかしフランスとポルトガルの現役TTチャンピオンコンビは、強力すぎるほどのルーラーの脚で、そのわずかなタイム差を死守し続けた。
特に「ひとり逃げ」には慣れているカヴァニャは、残り5kmでさらにスピードを上げた。アスタナやイネオス、ボーラ・ハンスグローエにロット・スーダルが必死に牽引するプロトンを、たっぷりと翻弄した。
たしかに集団がひとつにまとまった直後、残り2.5kmで最前列に速やかに進み出たのはミカエル・モルコフだった。カヴァニャの奮闘のおかげで、冷静に動くことを許されたベネットの専属発射台は、ゼネク・スティバルとバジオーリを最高の場所へと送り出した。
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