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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第8ステージ】ログリッチが大会史上初のモンカルビリョ覇者に「勝つというのはいつだって気持ちがいいものだね」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかたった2人ではあったけれど、しかし、次はEFが高い攻撃力を披露する番だった。残り5km、黄色を押しのけ、ピンクのマイケル・ウッズが最前線を奪い取る。しかも前日ステージを制し、「これで(総合2位)ヒュー・カーシーのために全力を尽くせる」と語った激坂巧者は、ライバルたちに暴力的なまでの努力を強いた。いつしか総合6位フェリックス・グロスチャートナーが脱落し、バルベルデも力尽き、さらには総合ソレルさえも後退した。1.4kmにも渡る爆走でウッズは集団を10人に絞り込んだ後、エースにバトンを渡した。
山頂まで3.6km。つまりカーシーがアタックに転じる。勾配は12.5%へ、さらに15%へと跳ね上がり、しかもこの最大勾配が約1km続くという..最も難しいタイミングだった。この強烈な一撃に、ひらり、と反応したのはセップ・クスだ。そう、総合首位カラパスから2位カーシー、3位マーティン、4位ログリッチ、5位マスまでが名を連ね、さらには8位エステバン・チャベス、13位ワウト・プールス、21位アレクサンドル・ウラソフといわゆるエース級だけが踏みとどまった先頭集団に、唯一紛れ込んでいた「アシスト」だ!
「総合争いの集団に残れて良かった。おかげで最後までプリモシュを助けることができたから。もちろんカーシーの動きについていったのも、プリモシュのためなんだ」(クス)
いよいよマイヨ・ロホには、自らの脚で追走する以外の選択肢がなくなった。なにしろカーシーに対する総合リードは、わずか18秒しかない。もちろん総合2位まで2秒差のマーティンも、必死にペダルを回した。ただログラだけは、クスが前にいたおかげで、ライバルたちの背中に張り付いているだけでよかった。ここでチャベスは落ち、プールスもじわじわと遅れていく。
しかも残り2.7km、獅子奮迅の努力でカラパスがカーシーをとらえた直後に、クスが改めて加速を切った。カラパスの脚はさらにうなりを上げ、「期待していたほど調子は良くなかった」マスはここで完全にとどめを刺されてしまうのだが、やはりログリッチは後部座席で悠々と過ごした。
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