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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第7ステージ】失意の後には、必ず歓喜がウッズのもとにやって来る。マイケル・ウッズ「僕にとっては最高の報いがもたらされた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかなにより最前線を走る5人の中で、ウッズだけは先頭交代を断固拒絶した。
「バルベルデがいる集団を、僕が引けるはずがない。だってプロトン内にはカーシーがいるんだから。バルベルデにあれ以上の総合タイムを与えるつもりはなかった。そもそも僕は逃げる予定ではなかった。でも集団があまりに大きくなっていったから、チームから人数を送り込む必要が生じて、僕も動いたんだ」(ウッズ)
残り9km、いよいよ最終バトルの火蓋が切られる。「すごいパワーのぶつかり合いであり、風の中の化かし合いでもあった」と語るピーターズのアタックがきっかけだった。マルタンとバルベルデも駆け引きを繰り広げ、「追走集団内に同僚スプリンターがいる」と言う理由でそこまでほとんど動かずにすんだフライレも、いよいよ残り3kmから勝負に加わった。
しかしウッズだけは、やはり4人の動きにひたすらついていくに留まった。動いたのはラスト1.2kmの、ただ1度だけ。
その1度の加速で十分だった。なにしろラスト17kmから頑なに温存してきた体力を、一気に放出すると、ライバル4人をまたたく間に突き放したのだ。バルベルデはすぐに反応しなかったことを後悔し、フライレは「バルベルデが動くだろう」と判断して自らすぐに追わなかったことを後悔することになる。開いた空間はあまりにも大きく、もはや誰にも埋めることなどできなかった。
失意の後には、必ず歓喜がウッズのもとにやって来る。深い悲しみの後に区間勝利を上げた2017年大会も、この春の大腿骨骨折から9月に復活の大勝利を上げた時も。今大会は初日の落車で18分半近くもタイムを失い、総合争いからいきなり放り出された。しかし6日後には区間の栄光が転がり込んだ。ちなみに所属EFエデュケーションファーストは、2020年の3つのグランツールで、それぞれ最低1つずつ区間を制した初めてのチームとなった。
バルベルデは3位4秒遅れで1日を終えた。ボーナスタイムは最低限の4秒を収集。また追走集団のベネットとニエベ、エリッソンドは13秒遅れで、メイン集団は56秒遅れでフィニッシュラインを越えた。
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