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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第6ステージ】恐ろしいカオスの果てにログリッチが首位陥落「この先も全力で戦う。だってそのために僕はここにいるんだから!」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「最後の上りはよく知っていた。だから他の選手には好きなように攻撃させておいた。好タイミングを待つ必要があると分かっていたからね。しっかり距離を計算しつつ、残り3kmで再び攻撃に転じたよ」(カラパス)
必死で追いかけるログラの後輪で、しばらく様子をうかがっていたマーティンも、ついにはマイヨ・ロホを置き去りにした。総合4位エンリク・マスだけがなにもできなかった。ただ「あまりに寒くて最後までたどり着けないかもしれない」と考えていたそうだから、フィニッシュできただけでも満足に違いない。
恐ろしいカオスの果てに、総合勢としてはカーシーが真っ先にフィニッシュへたどり着いた。その7秒後にカラパスとソレルがラインを越え、さらに26秒遅れでグロスチャートナーが、その2秒後にマーティンが続いた。
カーシーから遅れること50秒、ようやくログリッチは苦しい1日を終えた。つまりカラパスから43秒を、マーティンからは15秒を失った。総合では首位から30秒遅れの4位へと転がり落ち、赤いジャージから緑のポイントジャージに着替えた。
「我々が望んでいたような走りはできなかった。だがベストは尽くした。こうして身体が無事な限りはショーを続けるよ。明日しっかり休んでカンバックするつもり。この先も全力で戦う。だってそのために僕はここにいるんだから!」(ログリッチ)
代わりに総合3番目の場所から、カラパスが首位へと駆け上がった。昨ジロのマリア・ローザが、生まれて初めてマイヨ・ロホを身にまとった。それにしても6年ぶりにツール総合制覇を逃したイネオスにとっては、誇らしい日曜日となった。なにしろイタリアでは若きテイオ・ゲイガンハートが逆転優勝に輝き、ここブエルタでもカラパスが総合制覇へ向け一歩を踏み出したのだ。
「この1週間、僕らチームはハードに仕事を続けてきた。今日もまた大きな一撃を試み、上手く成功させた。チーム全体にとって素晴らしいご褒美だ。まだまだ先は長いけれど、このジャージを守っていきたい」(カラパス)
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