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サイクル ロードレース コラム 2020年10月22日

【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第2ステージ】《3倍速》で駆け抜けたマルク・ソレル!苦しむチームに値千金の勝利「ご褒美をもらう権利がある」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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その脚を止めようとする者も、幸いにも、この日はいなかった。ソレルには嫌な思い出がある。昨大会9日目、単独で先頭を突き進んでいたというのに、残り3.5kmで「待て」の指示がかかったのだ。後方でエース格ナイロ・キンタナがアタックしたせいだ。しかし最終的には自分が勝てなかったどころか、キンタナも勝てず……フィニッシュ後に怒りを爆発させたものだ。

「あとはフィニッシュまでブレーキかけずに突っ走った」(ソレル)

この日はラインへと向けて自然と笑みがこぼれた。両手を大きく上げ、生まれて初めてグランツール区間勝利の喜びを噛み締めた。チームに「シーズン2勝目」を献上し、もちろん、ソレルが抜け出したおかげで、区間上位3人の合計タイムで争う「チーム成績」も区間首位につけた。ちなみにモビスターにとっては、2018年バルベルデ、2019年キンタナに次ぐ、3年連続の「ブエルタ第2ステージ勝利」だった。

ログリッチ

マイヨ・ロホのログリッチ

ソレルの19秒後に9人の集団がフィニッシュに滑り込んだ。決して不思議ではないが、24時間前に最後まで勝負を争った9人と、ほぼ完全に同じ顔ぶれが並んだ。違いは脱落したグロスチャートナーの代わりに、バルベルデが入っただけ。そして集団内では前日同様にログリッチが一番でラインを越えた。

つまり新たに6秒のボーナスタイムを収集し、ログラは2日連続、昨大会から通算すると14日連続で赤いジャージを身にまとった。2日連続区間3位のボーナスタイム4秒を収集したおかげで、ダニエル・マーティンが9秒差の総合2位に浮上した。ログラの「代理」として緑のポイント賞ジャージを着て走ったカラパスは、11秒差の3位に一歩後退。ただし最終1級峠を首位通過したおかげで、山岳ジャージは手に入れた(クスと14ptで並び、総合上位のカラパスが受賞した)。ツールでは赤玉を2日間楽しんだが、ブエルタでは青玉を着る。

総合4位チャベスと5位マスは17秒差、総合6位カーシー20秒差、7位クス26秒差、8位ベネット56秒差と続く。前日5位11秒差のグロスチャートナーも、ぎりぎり1分以内に踏みとどまっている(59秒差9位)。またソレルが20位から10位1分04秒差にジャンプアップし、バルベルデが11位1分07秒に控える。つまり上位11人中、ユンボ3人、モビスター3人という内訳となる。

総合30位以下は10分以上の差がつき、最下位は早くも45分53秒遅れという壮絶な2日間が終わった。ブランドン・リビエラは生まれて初めてのグランツールをわずか2日目で去り、このブエルタを最後に引退を決めていたアクセル・ドモンは、落車で左鎖骨を骨折し、そのまま現役に別れを告げた。AG2Rにとっては2日間で3人目のリタイアだった。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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