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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第1ステージ】マドリードへの希望を抱く季節外れのブエルタ開幕!第1ステージを制したログリッチ「チームは完璧な仕事をしてくれた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか2位以下にペダルで1秒以上の差をつけた上に、ログリッチはボーナスタイム10秒も収集した。昨大会第10ステージから最終日まで12日間着用してきたマイヨ・ロホにも、当然のように袖を通した。しかもこの日のスタート前まで、いや、最終峠のラスト5kmまでは、「果たしてエースはログリッチか、それともトム・デュムランか」とユンボのダブルエース体制が議論を呼んできたが、ログラ本人が「今日で早くも状況が分かるかも」と語っていたように、あっさりと初日で決着をつけた。
なにしろ1秒遅れの2位にはカラパスが飛び込み、3位にはマーティンが入った。7位カーシーが4秒遅れで、クスは10秒差で区間8位、ベネットが40秒差の9位で終えた。そして51秒遅れの小グループに、ダブルエースの片割れのデュムランはいた。もちろん8人の集団を牽引するバルベルデやその他ライバルたちに、ログラのチームメートとして、デュムランは協力する理由などなかったからでもある。
ユンボ内のエースの行方どころか、たった1日でブエルタ全体の総合争いが大きく動いた。総合首位ログリッチに続き2位カラパスは5秒差、3位マーティンは7秒差につける。11秒遅れには4位チャベス・5位グロスチャートナー・6位マスが並び、総合7位カーシーは14秒遅れ。8位と9位はログラの「アシスト」で、総合10位アンドレア・バジョーリ以下は早くも1分01秒以上の差を背負う。
もちろんツール最終日前日に57秒差をひっくり返されたログリッチにとっては、バルベルデやダビ・デラクルス(やデュムラン)の1分01秒差やギヨーム・マルタンの1分18秒差は、いまだレッドゾーンに違いない。ワウト・プールス2分01秒差あたりまでは要警戒区域だろうか。ウラソフ4分41秒差やマルティネス4分59秒差もいまだ過小評価すべきではないが、ピノ10分06秒差、フルーム11分22秒差、ウッズ18分39秒差に関してはもはや大逃げを打つ自由を手に入れたとも言える。
季節外れのブエルタに、体と心がついていかない選手もいた。マティアス・フランクは強い疲労を訴え、イラン・ファンワイルダーは膝の痛みで、ステージ半ばで自転車を降りた。またアレクサンドル・ジェニエスも終盤にリタイアし、AG2Rラモンディアルから早くも2人が大会を去った。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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