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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第1ステージ】マドリードへの希望を抱く季節外れのブエルタ開幕!第1ステージを制したログリッチ「チームは完璧な仕事をしてくれた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか直後の中間ポイントはみな脇目もふらずに通過した。ツールではあれほど熾烈だった緑ジャージ用ポイント収集はおろか、貴重なボーナスタイム(3秒、2秒、1秒)さえ誰一人として興味を示さなかった。とにかくどのチームもひたすら最前列を死守したがった。
3つ目の山岳に入ると、位置取りの重要性がはっきりする。道が突如として細くなり、集団中ごろで落車が発生したのだ。巻き込まれたのは、総合候補の一角として名を挙げれられていたマイケル・ウッズ。自動車が1台やっと通り抜けられるような細道で、ただ成す術なく立ち往生するばかり。また同チームでエースナンバーをつける今クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ覇者ダニエル・マルティネスも、区間前半で落車し、やはり最終盤に遅れることになる。
ここで主導権を握ったのはイネオス・グラナディアーズだった。2011年ブエルタ以来グランツール総合10勝を誇るGTスペシャリスト集団は、今季は少々苦戦を強いられている。ツールでもジロでも総合エースが途中棄権。たしかに同時進行中のイタリア一周では区間5勝と強烈な存在感を示してはいるものの、やはり2014年グランツール総合0勝の轍は踏みたくない。4選手がメイン集団最前列に集結し、厳しいテンポを刻んだ。10タイトルのうち7つを勝ち取ったクリス・フルームが、落車分断にはまったせいで追走に手間取り、いつしかじわじわと脱落していくのも構わずに。
「ここにいられるだけですでに幸せだし、2年ぶりにグランツールを走り出せたことが嬉しい。感触は良かった。まだ少しなにかが足りないのは、レースをそれほど走ってこなかったせいなんだ。1日1日を戦って、このレースを通して自分にできるすべてを尽くしたい」(フルーム)
最終峠に入ってもイネオスの勢いは衰えない。特に昨季鳴り物入りでプロ入りした22歳イバン・ソーサが、リチャル・カラパスを背負って猛烈にスピードを上げると、集団はまたたく間に崩壊した。ウラソフやゴデュ、マルティネスも力なく千切れていった。ピノはとっくの昔に姿を消していた。
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