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サイクル ロードレース コラム 2020年10月21日

【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第1ステージ】マドリードへの希望を抱く季節外れのブエルタ開幕!第1ステージを制したログリッチ「チームは完璧な仕事をしてくれた」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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しかし、いつもと違ったのは、序盤に降り出した雨の冷たさだけではない。後方で集団コントロールに乗り出したのは、グランツール初日によく見られるようなスプリンターチームではなかった。前回覇者にして今ツール総合2位のログリッチと元ジロ総合覇者トム・デュムランを擁するユンボ・ヴィスマであり、過去2大会の総合2位(2019年アレハンドロ・バルベルデ、2018年エンリク・マス)が率いるモビスターが、勢力的に牽引を引き受けたのだ。

なにしろステージ後半には、最終1級峠を含む4つの山岳が待ち構えていた。しかも山場では強風が吹き荒れ、濡れた路面には、まるで吹雪のように落ち葉が降り注いだ。慎重に、それでいて大胆に、強豪たちは3週間後の栄光に向け最初の楔を打ち込まねばならない。

だから逃げ集団の山岳「青玉」ポイント収集合戦に、のんびり時間を与えている余裕などなかった。メイン集団はすぐさまタイム差を2分半ほどにまで一気に縮め、山場に入るとさらにじりじりと差を詰めていく。

おかげで最前線の5人は、序盤2つの山岳でしかポイント争いを繰り広げられなかった。昨ブエルタ2日前、今ツール3日前の急遽招集に続き、今回もやはり3日前の土曜日に突如呼び出されたというカヴァニャが残り50kmで仕掛けたのをきっかけに、逃げ集団は分裂を始め、ついには1人ずつ後方へと脱落していく。仲間の志を継いで、2峠を先頭通過し最多6ptを手にしたジョレギだけは最後まで粘ったが、残り25kmで集団に飲み込まれた。

ちなみにグランツールのラインステージ初日に、逃げ選手が山岳ジャージを着られないというのはちょっとした珍事である。ただしブエルタでは意外とよくあること。たとえば2013年と2015年はTTTの翌日にいきなり山頂フィニッシュが組み込まれ、区間勝者がそのまま総合首位はおろか、山岳賞首位もさらいとっているのだ。

吸収前からすでにメイン集団内では熾烈なポジション取りが始まっていた。アスタナは生まれて初めてのグランツール=2020年ジロ・デ・イタリアを胃の不調でわずか2日でリタイアし、早くも人生2度目のGTにやってきたアレクサンドル・ウラソフのために、グルパマ・FDJは悲劇のエース、ティボー・ピノ..のためではなく(そもそも総合はまったく考えてないそうだ)、むしろ初日勝利を狙っていたダヴィ・ゴデュのために隊列を組んだ。

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