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サイクル ロードレース コラム 2020年10月2日

【Cycle*2020 フレッシュ・ワロンヌ:レビュー】生粋のワンデー巧者が22歳で初のクラシックタイトル獲得!マルク・ヒルシ「いつピークの終わりが来るか分からない」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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それでも初めてのユイを完全攻略したことは、やはり驚きだ。フレッシュ・ワロンヌ初出場初優勝の快挙は1967年に偉大なるエディ・メルクスが成し遂げているが、残念ながら当時のフィニッシュ地はユイではない。大会最多5勝を誇るバルベルデさえ、2006年の初優勝は2度目の参戦だった。アラフィリップが2015年初出場で2位に飛び込んだ時は、自転車界にとてつもない衝撃が巻き起こったことを憶えている。なにしろクラシック名物の全長1.3kmの急勾配は、どこに位置取りすべきか、どこまで我慢すべきか、そしてどこで加速すべきか..そんな手練手管を要するものだと考えられていたからだ。

厳重にフェンスが張り巡らされ、外部からの完全立入禁止措置がしかれた2020年のユイは、例年とは少し雰囲気が違った。いつもなら観客でぎゅうぎゅう詰めになる最大勾配26%ゾーンのシケインでも、ただ住民と数少ない招待客だけが、密やかに熱戦を見守った。道路に延々とペイントされた「HUY」の文字だけが、いつもと変わらずプロトンを歓迎した。

スタート直後にできあがった逃げは、残念ながらフレッシュ・ワロンヌにおいては、たいていはその後の激闘に記憶をかき消されてしまう存在だ。ただし今年飛び出した4人の中には、目を見張る選手もいた。それがこの7月にプロ転向を果たしたばかりのマウリ・ファンセヴェナントで、ヒルシよりも1歳年下の21歳は、どこかアラフィリップを思わせる走行スタイルの持ち主でもあった。ラヴニールやベビージロと並ぶ「総合系選手の登竜門」アオスタ一周で昨年総合優勝をさらった若き才能は、終盤の約20kmに渡って独走も披露。勢いあまって草むらに突っ込む失態も犯したが..最終盤に飛び出してきたリゴベルト・ウランと連れ立って、最終ユイ登坂の突入寸前まで先頭を走り続けた。

このウランが加速を切ったのが、今年ユイの手前に新たに組み込まれたシュマン・デ・グーズ(娼婦の小道!)で、鬱蒼とした木々に囲まれた細道は、少々単調になりがちな戦いに間違いなく新たなアクセントをもたらした。今ツールを総合8位で終えた実力者の後ろでは、AG2Rが6人で隊列を組んだ。フランス一周で15日間山岳ジャージを纏ったブノワ・コヌフロワを唯一絶対のエースに抱き、先頭でシュマン・デ・チャペル(礼拝堂の小道)=ユイの壁へと突き進んだ。

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