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サイクル ロードレース コラム 2020年9月18日

【宮本あさかのツール2020 レースレポート】誇り高きイネオス・グレナディアーズがつかんだ美しき栄光「エガンが見てくれてるといいな」(クフィアトコフスキ) / 第18ステージ

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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イネオスコンビは少々手強い敵にぶち当たる。同じように序盤に4人で飛び出したサンウェブから、大会12日目に「3度目の正直」を実らせたヒルシに、山頂スプリントをさらい取られてしまったのだ。しかもカラパスは、そのまま敵と2人きりで、高速ダウンヒルをこなす羽目になる。

2日前に下りで引き離され、涙を飲んだカラパスにとって、幸いにも、クフィアトは頼れる男だった。元U23世界王者が今大会幾度となく優れた下り技術を披露してきたのだとしたら、元世界王者はプロトン屈指のダウンヒラーである。大急ぎで後を追うと、2つ目の上り(3級)の登坂口で、無事にカラパスの側に帰って来た。しかもカラパスとヒルシに追いつけたのは、クフィアト以外には、ニコラ・エデとペイヨ・ビルバオだけ。あっという間に5人に小さくなった先頭集団で、イネオス2人はさらに熱心に仕事に精を出した。

それにしてもヒルシに、さらに2度、先頭通過を奪われた。2つ目も、3つ目(2級)も、カラパスは次点に甘んじた。その3つ目の2級セジー峠からの下りで、しかし、ヒルシに不運が訪れる。得意の下り中に、カーブで落車。本人の分析によると「もしかしたらリスクを冒しすぎたのかもしれない」、クフィアトの厳しい目によると「コーナーをあまりにも早くこなしすぎた」。すぐに立ち上がり走り出したが、逃げの4人に再び合流することは叶わなかった。「彼はどうも仕事をしたくないみたいだったし、僕らは僕らのレースを続けたかった。後ろは振り返らなかったよ」と、そもそもこの日の勝者に、自滅したライバルを待つ選択肢などなかった。

元ブエルタ山岳賞エデはすでにセジー峠の上りで脱落していた。おかげで続く1級アラヴィス峠で……この日4つ目の山岳にしてようやく、カラパスは争わずして首位通過を果たす。昨ジロで区間2勝を上げたビルバオは、いまだ2人の側で走っていたけれど、ポイント獲りには興味を示さなかったからだ。しかも本日のクライマックス、超級プラトー・デ・グリエールの平均勾配11.2%の急勾配に入ると、やはり所属チーム、バーレーン・マクラーレンの作戦遂行のために後方へと脱落していき……。フィニッシュまで残り35km。同じジャージを身にまとうカラパスとクフィアトコフスキは、とうとう2人きりになった。

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