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【宮本あさかのツール2020 レースレポート】むちゃくちゃに振り回したガッツポーズと、頬を流れ落ちる涙。アラフィリップが遂に勝利を射止め「父に勝利を誓っていたんだ」/ 第2ステージ
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか天に指を突き刺してゴールするアラフィリップ
「向かい風があまりにも強かったから、1人だったら、おそらく逃げ切りは不可能だった。だから2人が追いついてきてくれたことは、僕にとってはチャンスだったんだ。それに3人それぞれに手に入れるべきものがあったせいで、僕らは上手く協力し合えた」(アラフィリップ)
総合争いが本格的に勃発しなかったこともまた、自分にとっては好都合だったと認める。彼らはあえて動かなかったのか、それとも動きを止めたのか。エズからの下りでは、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ総合覇者ダニエル・マルティネスが地面に転がり落ちた。キャトル・シュマンの上りでは、ミハウ・クフィアトコフスキと軽く接触したトム・デュムランが、本人曰く「ちょっとアホな」落車を喫している。
フラムルージュを潜り抜けた時点で、3人のリードはわずか10秒。背後から猛烈な勢いで迫って来るプロトンの圧力を感じながらも、アラフィリップは極めて落ち着いて、ギリギリまで駆け引きを繰り広げた。そして残り200m。弾かれたように加速を切ると、2年前のU23世界チャンピオンの追い上げを交わし、いの一番でラインを横切った。
むちゃくちゃに振り回したガッツポーズと、頬を流れ落ちる涙。2019年7月19日以来遠ざかっていた勝利を……シーズン再開後のサンレモでも、フランス選手権でも、あと一歩のところで逃した勝利を、ついに射止めた。また区間1位のボーナスタイム10秒も懐に収め、総合でアダムを4秒差で逆転。なじみ深い黄色いジャージに袖を通した。
「去年とは状況が違うんだ。今年のマイヨは、いわばボーナスのようなもの。もちろんマイヨ・ジョーヌを肩に羽織れることは、大いなる誇りだし、ジャージに敬意を表し、守るために最大限を尽くす。ただ前々から繰り返しているように、僕の目標は総合争いではない。ジャージがかかっていようがいまいが、今日の計画は変わらなかっただろう。この先もひたすら1日、1日、走っていくだけ」(アラフィリップ)
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