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サイクル ロードレース コラム 2020年8月31日

【宮本あさかのツール2020 レースレポート】むちゃくちゃに振り回したガッツポーズと、頬を流れ落ちる涙。アラフィリップが遂に勝利を射止め「父に勝利を誓っていたんだ」/ 第2ステージ

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「夢が叶った。どんな形であれ、ツールの表彰台に上ることは、夢なんだよ。この週末は家族全員がツール応援に駆けつけてくれた。きっと今夜はパーティーを楽しめるんじゃないかな!」(コヌフロワ)

テュリニの山道では、むしろスプリンターたちがひどく苦しめられた。ヨーヨーのように逃げ集団の後方にしがみついたサガンも、いつしか完全に脱落。また「マイヨ・ジョーヌを『失う過程さえ』楽しみたい」と、チームメートたちの尽力でメイン集団で踏ん張っていたクリストフも、山頂まで5kmを切った直後にずるずると後退して行った。

そう、つまり第3のご褒美は、まさしくマイヨ・ジョーヌ。区間勝利と一緒に黄色い栄誉が懐に転がり込んでくる可能性は、極めて高かった。

だからこそ2つの1級峠をそっけないほどに冷静に……特に下りをユンボ・ヴィスマの主導により安全にこなしたメインプロトンは、パリ~ニースでおなじみの2級エズ峠から一気に戦闘モードに突入する。複数チームが隊列を組み上げ、熾烈な場所取り合戦を繰り広げた。逃げ集団は全員回収され、小さなアタックも見られた。それらすべてを押しのけて、集団先頭の座にどっかりと腰を下ろしたのが、「ウルフパック」のドリス・デヴェナインスだ。

「自分向きのステージだと分かっていたし、1日中、すごく調子が良かったんだ。だからドリスに頼んだ。エズでレースを激化して欲しい、と。彼の仕事のせいで周りが苦しんでいることが、はっきりと感じ取れた」(アラフィリップ)

フィニッシュラインを1回通過した後、エズの中腹まで続くキャトル・シュマンの坂道では、今度はボブ・ユンゲルスがすさまじい引きを披露する。

「ボブもまた、とてつもない仕事を成し遂げてくれた。誰もを限界に追いやった。そして最後は、僕自身が苦しむ番だった」(アラフィリップ)

残り13.5km、稀代のパンチャーが、伝家の宝刀を抜く。鋭いアタックの瞬間は、誰一人として反応できなかった。「予想はしていたけれど、ちょっとためらってしまった」というマルク・ヒルシだけが、一瞬間をおいて慌てて追いついた。また2kmほど先では、アダム・イェーツが後方から素早く合流した。1年前の第3ステージは最終15kmを力強く独走したアラフィリップにとって、実のところ、同伴者の存在はありがたかった。たとえ山頂へ向けた熾烈なスプリントの果てに、アダムにボーナスポイント8秒と暫定マイヨ・ジョーヌを献上してしまったとしても。

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