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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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【ツール・ド・フランス2020:選手相関】1985年以来の栄冠をフランスにーー。ティボー・ピノ × ロマン・バルデ
ツール・ド・フランス by 山口 和幸ロマン・バルデ
そして勝負は最後までもつれ込んだ。激坂で仕掛けたのがバルデだ。それをピノが追いかけ、2人になった。総合優勝はもはや望めないが、「ジャラベールの坂」は制したい。テレビでフランスじゅうの人たちがバルデ対ピノの戦いを見守った。
互いをにらみながらのけん制。ところがこの隙に第1集団に加わっていたMTN・クベカのスティーブン・カミングス(英国)が猛スピードで追い抜いていった。あわてたバルデとピノ。後続の動きに無警戒すぎたのである。3人によるもがき合いによりピノが2位でバルデが3位になった。カミングスは自身の初優勝と同時にアフリカチームとしての初優勝を飾る。
バルデはゴール後に戦略が失敗したことを認めている。
「ピノとのゴール勝負になると思って、彼だけをマークしていた。カミングスが追いついてきたのはまったく見ていなかったんだ。まったく最悪の展開になってしまった」
ピノも肩を落とした。
「こんな恥ずかしいことはない。ボクたちフランス人区間優勝にこだわってしまいすぎたんだ」
この年のシーズン終盤に開催された世界選手権ではフランスチームのメンバーにピノとバルデが選出された。しかしフランスのギマール監督は、コースに最も適した脚質を持つジュリアン・アラフィリップをエースとして指定した。2人はアシスト役だった。
しかし世界チャンピオンを決めるレースは最終局面になってアラフィリップの体力が残っていなかった。それを見たピノは、勝利のチャンスがあるバルデのために献身的に仕事をした。
結局、ゴール勝負でスペインのアレハンドロ・バルベルデが優勝し、バルデはタイム差なしの2位になった。
「自分が与えることを与えられたことをやったまでさ」とピノ。「チームのために自分を犠牲にしたけれど後悔はしていない」というのが世界選手権を終えてのピノのコメントだった。
ツール・ド・フランスのマイヨジョーヌを目指すライバルであり、フランスのために戦う同志である2人。2020ツール・ド・フランスでもまだ見ぬ夢を追いかけて登場する。
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