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【ツール・ド・フランス2020:選手相関】男をも魅了する千両役者。ペーター・サガン × ジュリアン・アラフィリップ
ツール・ド・フランス by 山口 和幸ペーター・サガン
アラフィリップは2013年に現チームの前身であるエティックスでプロデビュー。駆け出し時代はツアー・オブ・カリフォルニアで複数のステージ優勝を挙げているが、メジャー優勝経験はなし。
サガンはリクイガス・キャノンデール時代の2012年にツール・ド・フランス初出場し、第1ステージでいきなり優勝。第6ステージまでに3勝を挙げ、全日程が終わってみれば最初のポイント賞を受賞している。
アラフィリップはエティックス・クイックステップのメンバーとして2016年にツール・ド・フランスに初起用された。
当時のエティックス・クイックステップにはエーススプリンターとしてマルセル・キッテルがいて、アラフィリップはキッテルがゴール勝負に加われなかったときのサブスプリンターとしての動きが期待された。
しかしその前に立ちはだかったのが、同じようなタイプでありながら、すでに実績を積み重ねてきたサガンだ。前年に1回目の世界タイトルを獲得し、その称号である5色の虹色ジャージ、アルカンシエルを着用して乗り込んでいたのである。
2016年の第2ステージで激突
第2ステージはノルマンディー地方のコタンタン半島の南端にあるシェルブールがゴールの町だった。残り5kmでシェルブール港を素通りすると、ここから高低差150mを駆け上がってゴールに向かう。ゴール手前に想像以上の激坂が待ち構えていたのである。
前日に区間優勝してそのままマイヨ・ジョーヌを獲得したマーク・カヴェンディッシュも、前日2位のキッテルも最後の戦いの前に脱落していた。
サガンが少人数のゴール勝負を制して1着になるのは想像にたやすかった。スプリント力がありながら、過酷な上りも距離がそれほど長くなければ一気にスパートできる。それがサガンの持ち味なのだ。
しかしつばぜり合いで先行したのは、まだ有名ではなかったアラフィリップ。世界の第一人者であるサガンは、最後の最後で逆転し、間一髪で勝利をつかんだに過ぎない。
「先行している選手がまだ2人いると思ったので区間優勝と聞いてちょっと驚いたけど、1位になれてとてもうれしい」とサガン。
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