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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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【ジャパンカップ / レビュー】ハイスピードである上に、極めてハイレベル。トレック・セガフレードが2日連続で歓喜
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかつまりワールドツアー勢が望んだように、最終盤は少人数精鋭の戦いへと持ち込まれた。中でも15人の集団に4人を送り込んだユンボ・ヴィスマが、恐るべき波状攻撃を開始した。
高い独走力を誇るニールソン・ポーレス が独走に持ち込み、この夏のツール・ド・フランス総合3位ステフェン・クライスヴァイクやブエルタ・ア・エスパーニャ区間勝利のセップ・クスが加速に転じた。全てはジャパンカップ直前の、秋のイタリアンクラシック連戦の主役たち……10月6日GPベゲッリ優勝ソンニ・コロブレッリ、10月9日ミラノ~トリノ優勝マイケル・ウッズ、10月12日イル・ロンバルディア優勝バウケ・モレマを振り落とすため。
「作戦としては間違っていなかったし、我々のチームは間違いなく最強だった。しかし個々としては……今回は最強ではなかった」
こう監督のリヒャード・ブラヒエが振り返ったように、ユンボは要警戒人物をどうしても引きちぎれなかった。むしろ13周目の古賀志林道で、チッコーネの手厚いアシストを受けたモレマがいよいよ攻撃に転じると、黄色軍団は反応さえできなかった。ただウッズだけが追随し、「個々として今回最強」の2人は、そのまま全てを置き去りにした。
最後はジャパンカップ「経験」の差が出た。もしくは台風被害を乗り越えて開催されたレースだからこそ、「絶対に勝つ。そうすることで皆さんに思いを伝えたい」と語っていたモレマの「信念」の強さも、味方したのだろうか。2015年に4人でのスプリントを勝ち取ったモレマは、今年はウッズとの一騎打ちを落ち着いて制した。前日のエドワード・トゥーンスによるクリテリウム優勝に続き、トレック・セガフレードが2日連続で歓喜の声を上げた。
3位争いはディオン・スミスが制し、序盤から逃げていたマンセボは4位。組織的に動いたユンボは、クスの5位が最高位だった。NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネで3年前から本場欧州のレースを転戦し、「その経験こそが今日につながった」と語った中根英登は、6位に食い込んだ。自ら何度も差を埋めに行き、最終盤は両脚が攣る中での奮闘だった。
凄まじいスピードは、最後まで衰えなかった。144.2kmを走り終えての最終的な走行時速は、時速39.11km……つまり28回を誇る大会史上、最速だった。フィニッシュラインを越えたのは、たったの40人。つまり史上最速のジャパンカップはまた、大会史上最低級の完走率に終わった。
昨季から参加人数が約2倍に増え、戦いのレベルも倍増したジャパンカップは、この先も格・質ともに上げていく。2020年シーズンからは、大陸別ツアーから離脱し、UCI国際自転車競技連合が新たに創設する地球規模の「プロシリーズ」に組み込まれる。近い将来にはワールドツアー登録も目指す。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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