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【ツール・ド・ラヴニール / プレビュー】未来のグランツールチャンピオンたちの饗宴、クイーンステージは最終日!
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかさて、5日間の中央山塊ステージと、休息日を挟んでアルプスで過ごす2日間は、いわゆるステージハンター向け。たっぷりと起伏に満ちているため、残念ながらピュアスプリンターの出番はそう多くはなさそうだ。上れるスプリンターやパンチャーたち、すなわち未来のクラシックハンターたちの脚の見せどころ。ただし2日目のチームタイムトライアル(32km)は、総合勢は絶対に失敗してはならない。昨大会、優勝候補筆頭のイバン・ソサ率いるコロンビアは、このチームTTで1分39秒も落としたのが痛かった……。
ラスト3日間は、難関山頂フィニッシュ3連戦で、いよいよ未来のグランツールチャンピオンたちの出番となる。
第8ステージはコース全長23.1kmという、標高2261mの超級ロズ峠での山頂フィニッシュ。決して登坂タイムトライアルではない。純粋なるラインレースである。つまりは平均勾配10%、最大19%の山道を……ふもとから山頂まで駆け上がるだけの勝負だ!「未来のツール」は、若者たちの脚を試すだけでなく、コース設定に関してもいわゆる「実験室」の役目を果たす。
翌第9ステージはティーニュへと向かう。2019年ツールのプロトンは、悪天候のせいでティーニュまでたどり着けなかったが……ラヴニール一行は予定通りに熾烈な総合争いを繰り広げられるだろうか。ステージ距離はやはり67.2kmと極めて短い。
そして最終決戦日こそが、今大会クイーンステージ。78.1kmという超短距離ながら、超級1つ、1級2つ、2級1つが詰め込まれたコースの累計獲得標高はなんと2701m。選手たちはひたすら上り下りに耐えねばならない。そしてル・コルビエへの全長18.8kmの山道が、2019年ツール・ド・ラヴニールの総合覇者を決する。この山頂で栄光を勝ち取る若者が、数年後……いや、2020年にはワールドツアーのトップチームで大旋風を起こしているのかもしれない。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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