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サイクル ロードレース コラム 2019年7月26日

【ツール・ド・フランス 2019 第18ステージ / レースレポート】プライドをかけた戦い。アラフィリップ「なにがなんでもマイヨ・ジョーヌを救いたかったんだ!」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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ナイロ・キンタナ

悪天候をも得意としていた。2014年に雨の下りを利用し、ジロ逆転優勝を果たしたキンタナは、残り3kmで降り出した雨などまるで気にしなかった。自身3度目のツール区間優勝に向かってひたすら突っ走り、2位バルデに1分35秒差を、つまり後方のマイヨ・ジョーヌ集団には5分18秒差をつけつつフィニッシュラインを越えた。前日までは9分30秒差の総合12位に沈んでいたキンタナは、まんまと3分54秒差の総合7位に浮上した!

後方のマイヨ・ジョーヌ集団でもやはり、コロンビア人がガリビエで飛び出した。総合ライバルたちをまとめて振り払ったのは、標高2650mの村が生まれ故郷と言うエガン・ベルナルだ。

ホワイトジャージが旅立ったのは、ガリビエ山頂まで3kmと少し。「ベルナルがアタックするまで、それほど苦しくはなかった」と、そこまで順調にメイン集団で走っていたアラフィリップのために、すかさずエンリク・マスが追走に力を尽くした。しかし山頂から1km、今度はゲラント・トーマスが加速を切る。過去7大会で6回の総合優勝を収めてきた元スカイの、ダブルリーダーの波状攻撃に、たまらずアラフィリップは脱落した。

「でも僕はしがみついた。それに下りが僕に味方してくれることは分かっていた」。苦しみ、喘ぎ、死に物狂いでガリビエを上り終えたアラフィリップは、ベルナルから約1分後、トーマスその他のライバルたちから約20秒後、得意のダウンヒルへと転じた。「たくさんのリスクを負って」、しかし「十分に冷静に」、猛スピードでヘアピンカーブをこなした。残り6.5kmでトーマス集団に追いついた。それどころか集団先頭に割り入ると、ベルナルとのタイム差を縮めにかかった。「なにがなんでもマイヨ・ジョーヌを救いたかったんだ!」

ベルナルが走り終えた32秒後、アラフィリップがフィニッシュラインを駆け抜けた。トーマス、ステフェン・クライスヴァイク、ティボー・ピノ、エマヌエル・ブッフマンからは1秒たりともタイムを失わなかった。総合2位に対するリードも、第17ステージ終了後の1分35秒から、ほんの5秒少なくなっただけ。「本当に信じられない状況だ。僕を含めて、全ての人がなにか夢を見ているような、そんな気さえするよ」と本人は語るが、フランス人による34年ぶりの総合優勝の可能性が、少しずつ現実味を帯びてきた。

アラフィリップの立場は変わらずとも、総合2位の選手は、トーマスからベルナルに入れ替わった。現時点ではツール最年少選手の22歳が、ディフェンディングチャンピオンを飛び越して、総合5位から2位へと一気に浮上を果たした。「今日のように標高が2000kmを超えると、僕は本当に調子が良くなるんだ」と語るクライマーにとって幸いなことに、翌第19ステージには、アルプス自動車路最高標高の2770mコル・ド・リズランが待っている。

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