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サイクル ロードレース コラム 2019年7月22日

【ツール・ド・フランス 2019 第15ステージ / レースレポート】興奮とサスペンスに満ちたマイヨ・ジョーヌ争奪戦、黄色ジャージ死守のアラフィリップ「次にこのマイヨ・ジョーヌを着るのはピノであって欲しい」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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サイモン・イェーツ

激しい総合争いも、小雨の中じっと動向を見つめるファンたちを、大いにどよめかせた。序盤はドゥクーニンク・クイックステップが制御し、終盤に入るとイネオスが主導権を握ったメイン集団が、残り40km、一気にカオスに陥った。ランダとフグルサングがアタックを仕掛け……バスク人が抜け出すことに成功したからだ。しかも前方にはマルク・ソレルにアンドレイ・アマドールという、頼もしい山のアシストが待っていた。

ちなみに2カ月前のジロ第13ステージでも似たような作戦を打ち、ランダは1分半近く遅れを取り戻している(ちなみにこの時もアマドールが前で待っていた)。あの日にタイムを失ったのはプリモシュ・ログリッチェ。つまり苦い記憶を持つユンボ・ヴィスマが、ツールのエース、ステフェン・クライスヴァイクのために猛烈な追走隊列を走らせた。急激なスピードアップはまた、他のチームを苦しめた。イネオスのアシストの多くが後方へと吹き飛ばされ、そこから先、黄色のアラフィリップは長く厳しい孤軍奮闘を強いられることになる。

最終峠の上りでは、グルパマ・エフデジが攻撃に転じる番だった。前日と同じように、やはりダヴィド・ゴデュが最前線でハイテンポを刻み、残り7kmでピノ本人が飛び出した。すかさずエガン・ベルナルが後輪に張り付き、アラフィリップとエマヌエル・ブッフマンも続いた。やはり前待ちのセバスティアン・レイヘンバッハを踏み台にして、ピノがさらに前方へと突き進んだのに対して、トーマスとクライスヴァイクはあっさり後方へと置き去りにされる。ただピノの猛攻に、アラフィリップはすぐについていけなくなり、ブッフマンも落ち、そして頑なに先頭交代を拒否したベルナルも残り4kmでついには振り払われた。

ピノがランダを捕らえ、勢いよく区間2位に滑り込んだ一方で、同じフランス人のアラフィリップはひどく苦しい時間を過ごした。トーマスやクライスヴァイクに追いつかれるも、当然のように、マイヨ・ジョーヌのために誰も前を引くいてはくれなかった。それどころかラスト2kmでは、「昨日よりは脚が良く動いた」と言うトーマスに加速され、さらに後方へと押しやられた。「これまでの努力のツケを支払う羽目になった」と、最後はたったひとりで、山頂までもがきつづけた。

「今日の目標はマイヨ・ジョーヌ保守のために戦うこと。だから目標は達成したんだよ」と、アラフィリップは疲れた顔で強調した。ピノとランダに1分16秒(さらにボーナスタイムがそれぞれ6秒と4秒)、ベルナルとブッフマンに58秒、トーマスとクライスヴァイクに27秒を奪われたが、それでもいまだ総合2位以下には1分35秒もの余裕を有する。そしてアラフィリップ「以下」は大接戦。総合2位から総合6位まで、つまりトーマス、クライスヴァイク、ピノ、ベルナル、ブッフマンの5選手が39秒以内に並んでいる状態だ。7位ランダはこの2日間で1分近く後れを取り戻したが、いまだ4分54秒差と大きな後れを負っている。それでも「優勝は無理だが、表彰台は可能性がある」と希望を抱く。

「確かにタイムは失ったけど、ジャージを失ったわけじゃないし……。でも、もしも僕がジャージを失ったら、次にこのマイヨ・ジョーヌを着るのはピノであって欲しい」と語ったアラフィリップ。肝心のピノは「最難関ステージはこれからやって来る。脚の調子はいい。このまま攻め続けていく」と、3週目のアルプス大戦へ挑む覚悟はできている。

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