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【ツール・ド・フランス 2019 第6ステージ / レースレポート】ツール初体験で区間2位のチッコーネ「もっと嬉しいご褒美が待ってた!」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかそのシュヴレールの激坂は、逃げ集団自体をも大きくふるいにかけた。来るプランシュ・デ・ベルフィーユの激坂に耐えられであろう本物のクライマーだけが、つまりトゥンスとチッコーネ、ウェレンスとクサンドロ・ムーリッセの4人だけが、最前列を突っ走ることを許された。一時はメインプロトンから9分近いリードを奪い、山頂でもいまだ4分差。逃げ切り勝利はすでにほぼ確実だった。
この山頂で動きを見せたのがチッコーネだ。5月のジロ・デ・イタリアで山岳賞を持ち帰った若者は、2級山頂目指して猛ダッシュ。先頭通過で5ポイントを加えただけでなく……ボーナスポイントの8秒も手に入れた!ちなみに2018年大会から導入された中間ボーナスポイント制度は、今年からは「総合争いをもっと面白くする」目的で、難関山岳ステージの最終盤の山頂に設定されている。そして前区間終了時のマイヨ・ジョーヌ、ジュリアン・アラフィリップから1分43秒差につけていたチッコーネにとって、この8秒が運命を大きく左右することになる。
ラスト3kmで、勝負はチッコーネとトゥーンスに絞り込まれた。時に牽制しつつ、時に協力し合いながら2人は高みを目指した。しかし残り約500mで未舗装路に突入すると、突如としてトゥーンスが全力疾走体制に切り替えた。2018年ブエルタで幾度も大逃げを打ちながらも、区間トップ5入りが5回(しかも2位が1回、3位2回)と悔しい思いを味わった。だからこそ「同じ失敗を繰り返してはならない」と、決然たる態度で山頂へと突進した。チッコーネも必死にくらいつき、しがみついたが……フィニッシュライン手前100mの最大24%ゾーンでついに力尽きた。トゥーンスが両手を広げてラインに飛び込んだ瞬間、大会スタッフが自転車を支えるために飛び出してくるほど、凄まじい坂道だった。どん底に突き落とされたチッコーネはも、1分半ほど後には、天国の気分を味わうことになる。
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