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【ジロ・デ・イタリア2019(ST.1〜ST.9)/ レビュー】元スキージャンパーのログリッチェがその力を誇示「まだまだ道は長い。山岳ステージはこれからだ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかログリッチェが総合5分24秒遅れに後退し、ユンボ・ヴィスマが集団制御の責任から解放された第7ステージ、前日以上に白熱したアタック合戦をかいくぐり12人が逃げ出した。しかも前日も逃げ、総合でわずか2分09秒差につけるホセ・ロハスが前に滑り込んでいたものだから、UAEチームエミレーツはタイム差コントロールに必死にならざるを得なかった。ペイヨ・ビルバオが逃げ切りの勝利を決め、チームの努力の甲斐ありコンティはピンクジャージをきっちり守った。
残念ながら個人タイムトライアルスペシャリストには、いまだ勝機は回ってこない。休息日前日の第9ステージ、34.8kmの全力疾走は、4月にアワーレコード新記録を樹立したばかりのヴィクトル・カンペナールツの手に収まっても良かったはずだ。ところが残り1.5km地点でチェーンが落ちるトラブル発生。慌てて自転車交換するも、走り出すのに大いに手間取った。
「自転車交換のせいで負けた。ひどい不運だ。がっかりしてる。今夜は眠れないだろうな」
腹立たしそうに語ったカンペナールツは、わずか11秒差で優勝を逃した。今大会3つ目の最終個人TTこそ勝ってやる……とリベンジを誓う欧州TTチャンピオンのタイムを唯一上回ったのは、もちろん今大会2つ目のTTステージ勝利を手にしたログリッチェだ。カンペナールツの走行時よりも、雨はひどくなっていた。ただし濡れて危険な路面でも、「全ては予定通りに進んだ」。
1分50秒差の総合2位と、マリア・ローザこそいまだコンティから取り戻してはいないものの、ログリッチェのニバリに対する総合リードは1分44秒へと広がった。区間3位に入ったバウケ・モレマが1分55秒遅れ、今ジロ本気の総合上位入り挑戦ボブ・ユンゲルスが2分18秒遅れ。TTの日に運悪く「バッドデー」を迎えたイェーツはすでに3分46秒の遅れを喫し、メカトラでタイムを失ったロペスは4分29秒とはるか下方に沈む。
「誰がまだ総合争いに踏みとどまっているのか、もう少し先で見えてくるはずだ。まだまだ道は長い。山岳ステージはこれからだ。この先たくさんのことが起こるだろう」
ログリッチェの言葉通り、2019年のジロはこれからが山場を迎える。大会2週目は2日連続のど平坦ステージで静かに始まるが、第12ステージからいよいよ道は起伏を増す。第13ステージではついに今大会初の本格山頂フィニッシュ。登坂距離20km、標高2000mを超える真のクライマー向けのステージで、マリア・ローザ争いは新たな展開を迎える。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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