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サイクル ロードレース コラム 2019年5月21日

【ジロ・デ・イタリア2019(ST.1〜ST.9)/ レビュー】元スキージャンパーのログリッチェがその力を誇示「まだまだ道は長い。山岳ステージはこれからだ」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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パスカル・アッカーマン

しかし第2ステージで、最初のスプリント機会をモノにしたのは、グランツール初出場のパスカル・アッカーマンだった。しかも大雨の第5ステージで、早くも2勝目を獲得。喜びを体いっぱいで表現するドイツチャンピオンは、「3勝は持ち帰りたいな」と欲を見せる。

日本の初山翔が単独で144km逃げた日、イタリアチャンピオンのヴィヴィアーニはたしかに、先頭でフィニッシュラインを越えた。しかし斜行による進路妨害があったとして、まさかの降格処分に。代わりに勝者の名乗りを受けたのは、皮肉にもガビリア。「厳しすぎる審判だ。それに僕はペダルで負けたんだ」と、表彰式ではニコリともしなかった。

4日目の上り坂フィニッシュでは、スプリンターたちは全員まとめて失意を味わった。残り6.5kmほどの集団落車で大分断が発生するも、先行を続けた15人ほどの集団には、ヴィヴィアーニ、アッカーマン、アルノー・デマール、そしてカレブ・ユアンという4人の強豪が滑り込んだはずだ。しかし最後の坂道で恐ろしくペースが上がった。ユアンだけは最後の最後まで粘ったが……、昨大会総合4位リカルド・カラパスに勝ちを奪われてしまった。幸いにもその4日後、ユアンは念願のスプリント勝利を収め、溜飲を下げた。

ちなみに最終盤にスピードが上がったのは、先頭集団内にログリッチェが滑り込んでいたせいでもある。デュムランが地面に投げ出され、他のライバルたちも分断の犠牲となった一方で、マリア・ローザは巧みに難を逃れた。カラパスの2秒後にフィニッシュし、つまりはイェーツ、ニバリ、ロペス等から新たに16秒のリードを押し付けた。

左脚を痛めたデュムランは、思うようにペダルを回すことも、タイム損失を最小限に防ぐために努力することも、もはや不可能だった。5人のアシストから守られるようにして、区間勝者から4分04秒遅れで1日を終えた。そして翌日、本スタート前のニュートラルゾーンで、無念にもリタイアを決断する。

「酷い気分だよ。何ヶ月もかけてジロのための準備を積んできたのに、ほんの一瞬で全てが台無しになってしまった」

不幸中の幸いか、精密検査の結果、左膝に深刻なダメージはなかった。1週間の休養後に、デュムランは再び今までどおり走れるそうだ。

大逃げ好きにも、2019年ジロは1週目から微笑みかけた。特に第6ステージ朝にログリッチェが「マリア・ローザを他人に譲るつもり」と発言したものだから……途端に無数のピンク希望者たちが激しくアタックを繰り返した!あまりに加熱し過ぎて、集団落車が発生し、ログリッチェが軽く地面に転がり落ちる場面さえ。50kmほど先でようやく13人のエスケープ集団が出来上がり、さらにフィニッシュまで約30kmを残して、2人のイタリア選手が逃げ切りの切符を手に入れた。つまりはファウスト・マスナダが2019年ジロ最初のイタリア人勝者となり、ヴァレリオ・コンティが2016年第21ステージ以来となるイタリア人マリア・ローザとなった。

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