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【ジロ・デ・イタリア2019(ST.1〜ST.9)/ レビュー】元スキージャンパーのログリッチェがその力を誇示「まだまだ道は長い。山岳ステージはこれからだ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかプリモシュ・ログリッチェの圧巻の勝利で始まり、同じくログリッチェの力の誇示で2019年ジロ・デ・イタリアの序盤9日間は締めくくられた。初日に手に入れたマリア・ローザは、「自らの意志で」第6ステージの終わりに手放したものの、直接的ライバルたちに1分44秒以上もの差をつけ大会2週目へと走り出す。
開幕直前に現役世界王者アレハンドロ・バルベルデと22歳の新鋭エガン・ベルナルの欠場が発表されたが、それでも今年のイタリア一周のスタートラインには、とてつもなく豪華な顔ぶれが並んだ。3つのグランツールと2つのモニュメントを制した地元の星ヴィンチェンツォ・ニバリを筆頭に、2年前の総合覇者トム・デュムランや、昨ブエルタを勝ち取ったサイモン・イェーツ。昨シーズンのジロ&ブエルタで表彰台乗りを果たしたミゲルアンヘル・ロペスに、やはりグランツール総合表彰台経験を持つミケル・ランダにイルヌール・ザカリンにラファル・マイカ。
中でも今シーズンここまで、最も絶好調で突っ走ってきたのがログリッチェだ。昨夏ツール・ド・フランスの総合4位でグランツールライダーとしての可能性を証明した元スキージャンパーは、2019年は2月末UAEツアー、3月ティレーノ〜アドリアティコ、5月上旬ツール・ド・ロマンディと、出場した3つのワールドツアーステージレース全てで総合優勝をさらいとってきた。
そしてジロ第1ステージ、全長8kmの登坂タイムトライアルで、ログリッチェはあっさり自身初のピンクジャージを身にまとってしまう。ライバルたちには早くも19秒以上の差をつけた。
「できる限り速く走る以外に、特別な作戦なんてなかった。これだけの差が開いたことには驚いている。初日から最終日まで総合首位をキープできるかどうかどうかなんて分からないけど、最も大切なのは、最終日ヴェローナでマリア・ローザを着ていること」
今年のジロは、山の到来が遅い。たとえば昨大会は6日目のエトナ山頂フィニッシュを皮切りに、1度目の休息日までに3つの難関山頂勝負が待ち受けていた。一方の今年は第13ステージ以降の後半に山がぎゅうぎゅうに詰め込まれた代わりに、前半戦は距離の長い平地ステージが延々と繰り返された。
もちろんスプリンターたちにとっては、脚がフレッシュなうちに輝ける、この上ないチャンス。特に昨大会ステージ4勝&ポイント賞のエリア・ヴィヴィアーニと、やはり一昨年区間4勝&ポイント賞フェルナンド・ガビリアという、現役屈指の俊足対決(&去年までのチームメート)が期待されていた……。
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