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「毎日少しずつマイヨ・ジョーヌに近づいていったのに、どうしてもつかめなかった。でも、チームのみんなが僕をサポートしてくれたから、今日はどうにかしてイエローを獲りたかった。チームのために。チームがこの数日間僕のために尽くしてくれた努力に、絶対に報いたかった」(マルティン、公式記者会見より)
フィニッシュへと続くコースは熟知していた。以前2日間かけてじっくり下見していた。ラスト1kmにはカーブや石畳が待ち受けていることも、十分なタイム差をつけて最終コーナーへ飛び込めば、勝機があることも知っていた。だからゴール前3.5kmで、ロングスパートに打って出た。集団内の、誰も、動かなかった。
「うん、ちょっと驚いた。もしかしたら他の選手たちは、僕が疲弊しきってしまったと思い込んでいたのかもしれないね。最後の石畳ゾーンで自転車交換した後、先頭集団に復帰するために、かなりの努力を要したから。たしかに限界ギリギリだった。いや、もしかしたら、僕があんなに早くアタックするとは予想していなかったからなのかも。でも、あれが、絶好のタイミングだった。僕はまだパワーを残していたし、すぐにギャップを開くことも出来た」(マルティン、公式記者会見より)
ラスト2kmまできて、ようやく事の重大さに気が付いたジャイアントが、慌てて追走を始めた。しかし、世界選手権個人タイムトライアル3勝のクロノマンは、すでにトップスピードに乗っていた。お望み通り十分なタイム差をつけて最終コーナーに単独で飛び込んだ。背後で必死にペダルを回すクラシックハンターやスプリンターの目の前で、滅多に見せないほどの喜びを全身で爆発させながら悠々とフィニッシュラインを横切る余裕さえあった。
「これからの目標は、第1回目の休養日までジャージを守ること。この先の数日間も難しいフィニッシュが何度かあるけれど、ついていけると思うし、前方に留まることも出来ると思う。それにチームタイムトライアルで、僕らのチームは優勝候補の一角だからね。だから今週一杯はジャージを守れるチャンスがあると信じている」(マルティン、公式記者会見より)
ほぼ全ての総合有力勢が第1週目の関門をなんとか潜り抜けた一方で、たった1人、不運に泣いた若きアウトサイダーがいた。第2石畳ゾーンを先頭集団で走行中に、ティボー・ピノはパンクの犠牲にあった。一番近くにいたチームメート、マチュー・ラダニュのホイールは、彼のホイールより10センチ大きかった。細い石畳路では、ニュートラルサービスやチームの素早い到着も望めなかった。イライラとする待ち時間を過ごした果てに、2014年ツール総合3位は、3分23秒を失った。総合では6分以上の遅れとなり、表彰台は大きく遠のいた。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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