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サイクル ロードレース コラム 2015年7月8日

ツール・ド・フランス2015 第4ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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クラシックエリート集団エティックス・クイックステップはもちろん、セプ・ヴァンマルク擁するロット・ユンボや、ジョン・デゲンコルブ率いるジャイアント・アルペシンが、パワフルな前進を繰り返した。それに混じって、アスタナも幾度となく切り込んだ。残り40kmで吸収されたウェストラは、第5石畳ゾーンでほんの短時間だったけれど、最後の力をリーダーのために振り絞った。第4石畳ゾーンの手前でボームがパンクの犠牲となり、無念にも後方送りとなった。しかしニーバリの周りには、1年前に最後まで自らを支えてくれたヤコブ・フグルサングを筆頭に、いまだ4人のアシスト役が残っていた。なにより第3石畳ゾーンでは……落車やパンクの危険を顧みず、石畳沿道の草の上を競り上がった。そのままアタックさえしかけた!

ただ予想外の敢闘賞「赤ゼッケン」は手に入れたけれど、総合のライバルたちをまとめて置き去りにすることは出来なかった。むしろ2014年の出来事があったからこそ、総合有力者たちはより入念に石畳練習を積んできた。頼もしいアシスト役を側に複数配置することも忘れなかった。パヴェゾーンでは、確かに、何度もクリス・フルームの前に小さな空間が生まれた。けれど、いつだって今季E3ハーレルベーケを制したゲラント・トーマスが、マイヨ・ジョーヌを前方へと引き上げた。コンタドールの脇はダニエーレ・ベンナーティとペーター・サガンがしっかり固めた。ナイロ・キンタナとアレハンドロ・バルベルデは二人三脚で最後まで踏ん張った。ティージェイ・ヴァンガーデレンは常に最低3人のアシストに保護されていた。ニーバリとアスタナボーイズの攻撃に、誰一人として屈するライバルはいなかった。

「なんの後悔もない。だってあれ以上は出来ないというほど、攻撃にトライしたから。むしろ満足しているほどだよ。だって今日一番大切なのは、タイムを失わずに1日を終えることだった。最後の石畳ゾーンでは、軽い上りだったから、集団を壊しにかかった。もしかしたら1人くらい千切れるかもしれない、と考えたから。でも無理だったね。難しかった」(ニーバリ、ゴール後インタビューより)

フルームも「もしかしたら」と、全ての石畳を抜け出した直後に加速を試みた。コンタドールとキンタナは反応が遅れ、わずかに距離を開けられたが、すぐにライバルのもとへと復帰した。「きっと総合争いの選手たちは、ようやく今夜は良く眠れるだろうね」と、やはりフルームも、他の有力候補から1秒たりともタイムを失わなかったことに、ほっとした笑顔を見せた。マイヨ・ジョーヌは残念ながら失ってしまったのだけれど……。実のところ、リーダージャージは、自らの意思で手放したものだ。

「総合ライバルにジャージを取られるよりは、マルティンに取ってもらったほうがありがたかった。だからマルティンが飛び出したとき、あえて追わなかったんだ。彼ならきっとピレネー入りまでマイヨ・ジョーヌを守るだろう。おかげで僕のチームメートたちも、少し体を休めることが出来るね」(フルーム、ゴール後インタビューより)

マルティンのチームメートたちは、すでに2日間精一杯働いてきた。初日個人タイムトライアルではわずか5秒差でマイヨ・ジョーヌを逃した。第2ステージはファビアン・カンチェラーラにまさかのボーナスタイムを獲られ、3秒差で泣いた。第3ステージはユイの壁でフルームに45秒差を引っくり返され、ジャージまで1秒足りなかった。だからこの第4ステージは、さらにチームは猛烈に働いた。

本来なら「アルデンヌクラシック」系の世界チャンピオン、ミカル・クヴィアトコウスキーは、序盤のパヴェで爆走した。今年のパリ〜ルーベ2位ゼネック・スティバールは、自らの巧みな石畳テクニックをチームのために駆使した。マッテオ・トレンティンは、最後の石畳ゾーンで、パンクしたマルティンに自転車を差し出した。最後まで先頭集団に残った4人のチームメートは、ラスト4kmまで、惜しみなく力を注いだ。

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