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「とにかく闘った。かなり早めに脱落してしまったけれど、パニックにはならなかった。トゥルマレの上りについては良く知っていたから、自分のリズムで登ることにした。徐々にタイムを縮めていって、下りでは少々リスクを犯して追いついた。最後の上りも何度か走ったことがあったし、精神的には落ち着いていたんだ」(バルギル、ゴール後TVインタビューより)
同じフレンチ勢でもトニー・ギャロパンやピエール・ローラン、さらにはフレンチ以外の大多数の有力勢は、この日は赤玉ポート列車に乗って最後の3級コトレ峠も乗り越えた。ただ山頂付近で総合11位のバウク・モレマが飛び出していき、10位だったヴィンチェンツォ・ニーバリが大きく崩れた。両者は1分差でゴールし、2人の総合順位も入れ替わった。またフィニッシュ直前ではアレハンドロ・バルベルデがスプリントを仕掛け、フルーム集団から2秒をさらいとった。アルベルト・コンタドール、ナイロ・キンタナ、ティージェイ・ヴァンガーデレンは、マイヨ・ジョーヌと一緒に難なくステージを締めくくった。
「今日は非常にタフなステージだった。もしかしたら、それほど厳しくは見えなかったかもしれない。でも、多くの選手が、間違いなく今日はエネルギーを大量に失った。だってエスケープのアタック合戦はほぼ2時間続いたし、アスタナがトゥルマレで厳しいレースを展開したからね。僕は今のところすばらしいポジションにつけているし、すばらしいチームが僕にはついている。今の僕らにとってベストなことは、守備的に走ること。ほかの有力選手の動きに従うこと。事を起こす必要があるのはほかのチームだし、この先総合争いに向けた大きなバトルを挑んでくるだろう。特に明日は、キンタナとコンタドールがアタックを仕掛けてくるはずだ」(フルーム、公式記者会見より)
その明日、つまり第12ステージの超級プラトー・ド・ベイユでは、約45分の山登りが待っている。気温は相変わらず高く、山頂では、にわか雨や雷雨も予想されている。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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