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サイクル ロードレース コラム 2015年7月21日

ツール・ド・フランス2015 第16ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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ルーベン・プラサがツール初勝利をもぎ取り、ペーター・サガンが今大会5回目の区間2位に終わり、ヴィンチェンツォ・ニーバリが誇り高き独走を見せた背後で、戦慄が走った。マンス峠からの下りで、悪夢再び――。道の外に大きく放り出されたゲラント・トーマスは、幸いにも、ほぼ無傷でフィニッシュラインへたどり着いた。失ったのはわずか38秒だけで、総合6位の座も守った。

スタートから1時間の走行時速53.6km……!ついに大会3週目に突入した169人の生き残りたちは、とてつもない速さで走り出した。明日は休養日だし、ひどい暑さにもそろそろ慣れてきた。コースはひたすら登り基調だったけれど、かといって大きな難関峠は存在しない。ずっと追い求めてきたステージ優勝を、手元に引き寄せるチャンスだった。ほぼヨーイドンで12人が飛び出し、さらに12人が夢中で後を追った。

第1集団にはペーター・サガンが3日連続のエスケープへと走り出していた。本日の勝者プラサもまた、第1集団組だった。一方の第2集団には、5回目のエスケープに挑むピエールリュック・ペリコンや、グランツール12大会連続完走を目指すアダム・ハンセンが加わった。なにより過去のロングエスケープの成果がマイヨ・ジョーヌ10日間×2回という、現役屈指の逃げ職人トマ・ヴォクレールの姿があった。

スカイ率いるメイン集団はしばらくは制御に務めたけれど、最終的には2つの集団を見送ることに決めた。しかし同じ人数で構成された2つのグループは、そこから延々90kmにも渡って壮大なる追いかけっこを繰り広げた。

「とてつもない『力比べ』って感じだった。チームタイムトライアル並の速度で、90kmも走り続けた。今日は逃げが決まる日だ、と確信して飛び出したはいいけれど、あの追走で恐ろしくエネルギーを消耗しちゃったよ」(ヴォクレール、ゴール後インタビューより)

どちらの1ダースも簡単には譲らなかった。しかし赤ゼッケンのマイヨ・ヴェールが順調に中間スプリントで1位通過を果たし、20ptを悠々と手に入れると、少しだけ第1集団は歩みを緩めた。ステージも折り返し地点に差し掛かる頃に、後ろから11人(1人脱落した)が追い上げを成功させ、ようやく2つの集団は1つに融け合った。

メインプロトンは前の23人に、完全なる自由行動を許した。逃げれば逃げるほど、面白いようにギャップは開いていく。本日の最大タイム差は、なんとゴール前15kmの20分15秒!エスケープグループで最も総合上位につけているのはハリンソン・パンタノの34分44秒だったから、マイヨ・ジョーヌが脅かされる恐れは一切なかった。そんな23人は、きっちりゴール前50kmから、区間勝利の戦いを始めた。小さな飛び出しと、追走と、お見合い。ハンセンが単独でアタックを仕掛け、その後を追ってマルコ・ハラーが抜け出しても、残り21人は様子見に終始した。というよりむしろ、エスケープ内の誰もが、ペーター・サガンに追走の責任を押し付けようとしていた。

「大きな集団のままで最後まで行きたくはなかったし、行ってはならなかった。だって、集団ゴールになって、スプリント勝負になったら、始めから勝負は見えてる。サガンに勝てっこないもん!」(ヴォクレール、ゴール後インタビューより)

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