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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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前評判通りだった。アロス峠からの下りは、ぞっとするほど恐ろしかった。遠くに連なる青い稜線から、ふと視線を落とすと、目の前には深い谷底と細いヘアピンカーブ。2人の選手の望みが断たれた。逃げ出したシモン・ゲシェケの後を単独で追いかけたティボー・ピノは、苦手「だった」ダウンヒルで滑って転び、区間優勝の可能性を逃した。メイン集団でライバル達と共に下っていたアルベルト・コンタドールもまた、落車の犠牲となり、2分以上ものタイムを失った。ゲシェケが歓喜の逃げ切りゴールを決め、マイヨ・ジョーヌのクリス・フルームは数々の攻撃を難なく交わしきった。
ドラマティックな運命に翻弄されたのは、なにもピノやコンタドールだけではなかった。3分32秒遅れで総合3位につけていたティージェイ・ヴァンガーデレンが、志半ばでレースを去った。2度目の休養日が明けて、パリ到着まで、あと、たったの5日だった。
「休養日にちょっと熱が出て、寒気を感じた。今朝、最悪の事態は過ぎ去った、と感じたんだ。でも、実際に走り出してみると、筋肉に力がまるで入らなかった」(ヴァンガーデレン、チーム公式HPより)
ステージ序盤の小さな3級峠で早くも遅れたものの、一旦はプロトンに追いついた。しかし、2級コル・サン・ミシェルの上りでマイケル・ロジャースとコンタドールが2人で軽い飛び出しをかけ、集団のスピードが上がると……、もはやこれ以上、しがみつけなかった。約70km地点で、ヴァンガーデレンは自転車を下りた。悔し涙を流しながら。
フィニッシュ地で嬉し涙を流したゲシェケの冒険は、「最後まで逃げ切れるエスケープ」に潜り込むところから始まった。いつものようにアタックと、吸収とが大量に繰り返された。ナイロ・キンタナとアレハンドロ・バルベルデのモヴィスター2人組さえも、まさかの序盤攻撃を繰り出した。上手くはいかなかったけれど。
28人の精鋭が、フィニッシュ行きの切符をつかんだのは、ようやく58km地点を過ぎてから。中でも最も存在感を放ったのは、もちろん、4区間連続で大逃げにトライしたペーター・サガン!
おかげでポイント賞2位のアンドレ・グライペルとの差は104ptに開き、4年連続のマイヨ・ヴェールへとさらに近づいた。ただし、これまでの3回とは違って、中間ポイントで1位通過はできなかった(3位通過)。すべて区間トップ5入りだったこれまでの3回とも違って、1級アロス峠で戦いが勃発すると、逃げ集団から静かに滑り落ちて行った。後方メインプロトンで走るアルベルト・コンタドールの、もしもの場合に、馳せ参じるために。
ティンコフ・サクソはサガンのほかに、ラファル・マイカがエスケープ集団にもぐり込んでいたし、ステージ半ばにはロジャースも先へと進み出た。ナイロ・キンタナ&アレハンドロ・バルベルデの2人で総合表彰台を争うモヴィスターは、3人ものアシストに前方待機を命じた。なによりフルームの親衛隊からは、リッチー・ポートとニコラス・ロッシュが逃げた。ちなみにポートもまた、アロス峠で、あっさりと後方脱落を選んでいた。
そんな様々な思惑の入り混じった集団から、ゲシェケが飛び出したのは、中間ポイントの直後だった。一緒に逃げていたジョン・デゲンコルブの2位通過を見届けると、たったひとり、先を急ぎ始めた。
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