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サイクル ロードレース コラム 2015年7月24日

ツール・ド・フランス2015 第18ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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ただし、その後にモヴィスターコンビがアタックに転じると、状況は一転する。バルベルデが特攻をかけると、すぐにフルーム自らがペダルを高速回転させた。続けてキンタナが畳み掛けると、総合4位(というよりはマイヨ・ジョーヌ護衛の)ゲラント・トーマスが穴を埋めに走った。ところが、皮肉なことに、2度目のキンタナの加速で、チームメートのバルベルデが脱落してしまう。

「急に力が抜けてしまったから、少しスピードを下げて、呼吸を整えなおす必要があった。それに下りで集団に追いつけるだろうと分かっていたから」(バルベルデ、チーム公式HPより)

35歳にして、生まれて初めてのツール総合表彰台に手が届きそうなバルベルデは、上りで先に行ってしまったフルームやキンタナ、トーマスやニーバリに、予言どおりに下りで追いついた。長い下りは、また、コンタドールやバルギルの企ても飲み込んだ。終わってみれば、アルプス最難関のグランドン峠は、マイヨ・ジョーヌ集団に大きな影響は及ぼさなかった。

また「フォトジェニック」だけれど、「実際はそれほど難しくない」と開催委員会が語っていたモンヴェルニエの九十九折では、ラファル・マイカの助けを得て、コンタドールが再度一発を試みるが……。バルベルデを表彰台から引き摺り下ろすほどの威力はなかった。ただグランドンで飛び出したバルギルと、グランドンで遅れた総合9位バウク・モレマという対照的な2人だけが集団からずり落ちるも、フレンチは下りで総合の仲間たちに追いつき、ダッチも総合順位はしっかり守った。

「1日の終わりに、結局、何も特別なことは成し遂げられなかった。ひどく厳しいステージだったし、僕のアタックは『脚』というよりは、『暑さ』に左右された感じだった。ただ、いくつか、気がついたことはあったよ。とにかく大切なのは、明日に向けて、僕がどれだけ回復していけるかだ」(コンタドール、チーム公式リリースより)

アルプスも残り2日。2つの山頂フィニッシュ、しかも極めて短いステージ(138kmと110.5km)が2015年ツール・ド・フランス総合争いのトリを飾る。

「モヴィスター勢はきっと、どうにかして区間を取りに行くだろう。でも僕だって、もう1つ勝ちたい。ただ、無理にエスケープを追い立てて、チームメートたちを消耗させる気もない。ただ、バルベルデやキンタナが遠くからアタックした場合だけは、別だけど」(フルーム、公式記者会見より)

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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