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しかし、チャベスの力強いペダリングが、弱まることは決してなかった。ゴール前1kmのアーチの下で、ダニエル・マーティンも攻撃に転じたけれど、すでに遅すぎた。苦しみに歪んだ顔で追いかけるデュムランとマーティンを5秒差で振り切って、ゆっくりと胸の前で十字を切りながら、爽やかな笑顔でチャベスは山頂へ姿を表した。
「最後は、それでも、激しくもがいたんだ。しかも向かい風が吹いていたから、捕まえられるんじゃないかと、すごく怖かった」(チャベス、公式記者会見より)
区間1位のボーナスタイム10秒も手に入れて、チャベスは念願の赤いジャージを取り戻した。大奮闘したデュムランは10秒遅れの総合2位に一歩後退。区間2位マーティンは総合3位・33秒差に浮上した。またバルベルデを始めとする総合争いの面々は、結局のところはみんな揃って11秒差でゴールした。
それにしても、オージー軍団は、グランツール1週目にめっぽう強い。2013年ツールは区間2勝&マイヨ・ジョーヌ4日間、2014年ジロでは区間2勝&マリア・ローザ7日間、2014年ブエルタでは区間1勝&マイヨ・ロホ3日間。そして今年のジロでも区間2勝とピンクジャージ4日間を堪能している。今大会は早くも区間3勝に赤ジャージ4日間。……ちなみに、2週目以降は、少々影が薄くなるのが恒例でもあるけれど?
「山の麓でアタックして、フィニッシュラインまで突っ走るなんて、チャベスがかなり手強いライバルであることの証拠だよ。まだブエルタの先は長いけれど、僕にとっては、大いに警戒すべき人物だ」(バルベルデ、チーム公式リリースより)
2011年ブエルタでクリス・フルームがどこからともなく姿を現したように、2011年大会でフアンホセ・コボや2013年大会でクリストファー・ホーナーが驚くべき総合優勝をかっさらったように、開幕前には思いもよらなかった選手が輝く大会。それがブエルタだ。すると2015年は、もしかしたら、エステバン・チャベスが一気に大物の仲間入りを果たす年になるのかもしれない。
「明日は長くて、難しいステージになるだろう。とにかく体力を回復して、自分のベストを尽くす。そして、できることなら、ベストライダーたちと競り合いたい」(チャベス、公式記者会見より)
第7ステージの終わりには、1級山頂フィニッシュが待っている。ここまで姿を潜めてきた強豪たちも、こぞって最前列へと姿を現すに違いない。本当のブエルタ・ア・エスパーニャが、いよいよ、始まるのだ。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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