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クザンとコシェヴォイは、その後も積極策を押し通した。とりわけユーロップカー本拠地からほど近い町で生まれ育ち、下部組織「ヴァンデU」でアンダー23時代を過ごし、プロ入り後も現チーム一筋のフレンチは、来季の見通しが不透明なチームに……せめて創設史上初のブエルタ区間勝利をもたすべく突き進んでいた。すでに先に行ってしまった新人コシェヴォイをも、残り3km、力ずくで捕らえた。
空っぽになったチュルーカを捨てて、リンデマンも1人で追走に乗り出した。ただ、クザンよりほんの11日だけ年下のオランダ人は、派手に立ち回ろうとはしなかった。2013年末のヴァカンソレイユ解散により、一時はコンチネンタルチームにまで身を落とすも、わずか1年で再びワールドツアーチームまで戻ってきた苦労人は、非常に賢く立ちまわった。ゴール前2.5kmでライバル2人に追いつくも、それ以上の無駄な努力はしなかった。
「僕はゲームをしたんだ。これもまた自転車レースというものさ。最強の選手がいつも勝つとは限らない。だから体力の消耗は最小限に留めた。あらゆる攻撃に反応できるほど、自分は強くないと分かっていたから。ただスプリントに持ち込むことだけに集中した」(リンデマン、公式記者会見より)
代わる代わる繰り出される攻撃を、リンデマンは耐え続けた。勾配14%の最難関ゾーンでも力を誇示したクザンは、ところが、ラスト600mでバランスを崩してしまう。コシェヴォイの自転車後輪と接触し、落車こそ逃れたものの、アスファルトに足をついた。
「苦労続きの1年の終わりに、大勝利が、目の前で逃げていっちゃった!サンタクロースさん、僕に小さな車輪をプレゼントしてください。ブエルタを走り終えるために。」(クザン、本人ツイッターより)
不運に襲われたクザンを尻目に、残り500mでコシェヴォイはこの日何度目かの、そして最後の全力アタックを仕掛けた。
「調子は良かったし、最後の上りでも脚は絶好調だった。地形だって僕にぴったりだった。でも残念なことに、リンデマンは諦めなかった」(コシェヴォイ、チーム公式リリースより)
最後にゲームに勝ったのは、リンデマンだった。フィニッシュラインまで200mで、温存してきた力を全て解き放った。たった1度の加速で、勝利には十分だった。
「人生で最大の勝利だ。だってワールドツアー大会で勝ったことさえなかったのに、もっとすごい成功を手に入れたんだからね。明日になってようやく、自分が一体何を成し遂げたのか、理解できるんじゃないかと思う」(リンデマン、公式記者会見より)
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