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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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180km近いエスケープの果てに、ジェローム・クザンはとんだハプニングで勝機を逃した。イリア・コシェヴォイは、攻撃を繰り返した挙句、フィニッシュの200m手前で力尽きた。ベルトイヤン・リンデマンがゲームを制し、今大会初の逃げ切り勝利をつかみ取った。「本格派」山頂フィニッシュでもエステバン・チャベスは難なく強豪たちに付いて行き、マイヨ・ロホを悠々と守った。ひどい暑さの中、この夏のツール王者クリス・フルームが、タイムを落とした。
スタート前から「今日は大逃げが決まる」と囁かれていた。行く先にはシエラ・ネバダの1級峠が立ちはだかっていたけれど、前向きな予測を頼りに、12km地点で5選手が飛び出した。リンデマン、クザン、コシェヴォイ、さらにアメッツ・チュルーカとカルロス・キンテーロは、連日の酷暑で疲れた体に鞭打って、熱心に先を急いだ。
チャベスを支えるオリカ・グリーンエッジは、メイン集団前方で、あくまでもタイム差のコントロールを心がけた。エスケープには最大13分10秒ものリードを与えた。逃げ集団内で総合最上位はクザンの14分06秒差だったから、マイヨ・ロホが脅かされることは決してなかった。
誰も積極的に「追走」を行わなかった。それでもゴールまで80kmを切ると、ようやくアスタナとスカイが、プロトン前線で速いリズムを刻み始めた。……ところが、ラスト40kmまで来ても、タイム差はいまだ9分50秒も残っていた!ここで両チームは、作業を放棄してしまう。結局のところ、モヴィスターが集団制御の責任を引き受けた。スペイン唯一のワールドツアーチームは、以降、最終峠の中腹まできっちりと隊列を組んだ。
全長18.7kmの最終峠へ、エスケープは5分40秒差で飛び込んだ。山の中腹にある平坦ゾーンでは、ほっと一息をつく間もなく、協力し合って必死でペダルを回した。そしてラスト9km、道は再び険しさを増した。ついに区間勝利へのバトルが始まった。
「普通に考えると、チュルーカが一番上りに強い。だから、彼を少し恐れていた」(リンデマン、チーム公式HPより)
2007年ツールのスーパー敢闘賞は、確かに、山道を猛烈な勢いで引っ張っていた。幸いにも、他の選手が、集中して揺さぶりをかけてくれた。クザンが何度も小さな加速を見せた。コシェヴォイは潔く飛び出した。あらゆる追走の責任は、チュルーカに押し付けられた。そして、イタリアチームのベラルーシ人の2度目のアタックに、ついにバスク人の脚が止まった。またしても敢闘賞で、チュルーカは1日を終えることになる。
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