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タイム差があっという間に縮んだ理由は、デュムランの脱落だった。きっかけを作ったのは、モヴィスターだ。ラスト10kmで、まずキンタナが早めのアタックを仕掛けた。体調不良から復活し、前日にアルから7秒掠め取った張本人の不穏な動きに、当然アスタナが素早く対応に回った。アシスト1人は後輪にさっと張り付き、また別のアシストは集団牽引に回った。コロンビア山岳巧者の企ては、あっさりと潰された。
残り7.5kmに、もう一度だけ、モヴィスターは加速を仕掛ける。今度はジョヴァンニ・ヴィスコンティが、がむしゃらな全力牽引に打って出た。しかし、しばらく先で、やはりアスタナに主導権を奪われてしまう。
「僕にとっては、これほど早く体調を回復できたということだけで、もう大きなご褒美なんだ。ステージ勝利のために努力はしたけど、僕よりもっと強い選手がいた。それに、少なくとも、デュムランからタイムを少し奪えたじゃないか」(キンタナ、ゴール後TVインタビューより)
そう、モヴィスターの畳み掛けるような加速が、二次的効果を引き起こした。ここまでの2週間、どんな山だろうが、最終盤までメイン集団前線にどっしりと居座ってきたデュムランが、最後尾で苦しみはじめたのだ!
そのことに気がついたアスタナ勢は、猛烈に前進を始めた。アシスト4枚を一気に使い切る勢いで、邪魔者を千切りかかった。ティンコフ・サクソも、総合5位につけていたラファル・マイカのために、ためらわず速度を上げた。なにしろ第17ステージ、全長39kmの平坦タイムトライアルの前に、現役屈指の独走スペシャリストから出来る限りのタイムを奪っておかねばならなかったから……。
ラスト2.5km、ついにデュムランは、マイヨ・ロホ集団から脱落した。アシストも、協力してくれる選手もいない中、ピュアクライマーに比べたら重い肉体を、たった1人で山頂へと引き上げるしかなかった。最終的には区間勝者から51秒遅れ、総合首位アルからは36秒遅れで苦しい1日を終えた。
最前線では、小型葉巻が、大きなアタックを決めた。さんざん攻め続け、働き続けたモヴィスター、アスタナ、ティンコフをあざ笑うかのように、勾配のひときわ厳しいゾーンで、すべてのライバルを突き放した。後方ではアルだけが必死に努力し、プリトは鬼気迫るほど力強くペダルを回し続けた。幾度も、幾度も、加速を畳み掛けた。山の上では、36歳大ベテランが待ち望んだ、歓喜の時が訪れた。
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