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サイクル ロードレース コラム 2015年9月10日

【ブエルタ・ア・エスパーニャ2015】第17ステージレースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「もちろん、僕にとっては、完璧なレースとはならなかった。自分ではいいタイムがだせると思っていたけど、最終的には総合で2つ順位を落とした。でも、いまだに表彰台圏内だし、1位からもそれほど遠くはない。まだ3日間残っている。失うものなど何もない。戦い続けるだけ。あらゆる力を尽くすだけ。そしてブエルタを勝ちに行くだけ。ここで終わりじゃないんだ!」(ロドリゲス、チーム公式HPより)

また総合表彰台争いに踏みとどまっていたラファル・マイカが2分38秒、ニエベが3分29秒、エステバン・チャベスが2分43秒を、区間首位のデュムランから失った。揃って総合順位も後退し、マイカ3→4位(総合タイム差2分22秒)、ニエベ5→9位(4分10秒)、チャベス6→7位(3分30秒差)と移行した。一方でモヴィスターコンビは悪くないタイムで走りきった。ナイロ・キンタナは1分33秒遅れ、アレハンドロ・バルベルデは1分08秒遅れで駆け抜け、それぞれ8→5位、9→6位へと総合順位も浮上した。

ほんの1秒差の総合2位でTTコースに走り出したファビオ・アルは、3秒差のやはり総合2位で1日を締めくくった。

前日までのデュムランに対するリードは、1分50秒だった。スタート前、アスタナ監督のジュゼッペ・マルティネッリは、まじめな顔で断言していた。「アルが失ってもいいタイム?もちろん1分50秒。確かに、この数字は願望に過ぎない。だけど……、これ以上の数字を想定しては絶対にだめなんだ。最初から負けを考えたらダメ」と。だから、目標値に向かって、アスタナのパフォーマンストレーナーのパオロ・スロンゴが、出すべきワット数やケイデンス数をはじき出した。そして、ヒルクライマーのアルは、計画通りの走りを実現させた。

第1中間地点では44秒遅れだった。第2地点では遅れは1分44秒にまで広がった。しかし、「急坂」という得意の地形を存分に利用して、フィニッシュ地点では被害を1分53秒に食い止めてみせた。願望的目標値には3秒及ばなかったけれど、現実的に見れば、思わずニンマリするほどの好タイムだ!

「まだ戦いは3ステージ残っているし、たくさんのチームが勝負に打ってくるだろう。このブエルタは……、いや、まだまだ、終わりじゃない。まだまだだ」(アル、チーム公式HPより)」

2015年ブエルタも残る勝負ステージは3日。マイヨ・ロホにみたび返り咲いたデュムランは、アルとの3秒差をどう死守していくのか。あのフエンテ・デ(アルベルト・コンタドールが大逆転劇を成功させた)の犠牲者ロドリゲスは、今回は自らが1分15秒をひっくり返す大アタックに打って出るか。首位から2分22秒遅れ、総合3位から1分07秒遅れの総合4位マイカは、生まれて初めてのグランツール表彰台に手が届くだろうか。モヴィスターコンビは、ビッグライダーとしてのプライドにかけて、最後の攻撃に転じるのか……。

「確かに、アルとの3秒差は、ほんのわずかの差でしかない。マドリードまで激しい戦いが繰り広げられるだろうことは分かっている。観客にとっては見ごたえある戦いになると思うけれど、僕にとってはひどく難しい1日となるだろうね」(デュムラン、公式記者会見より)

上記の総合勢たちがとてつもない攻撃的レースを繰り広げない限り、翌日からの2日間は、ずばりエスケープが逃げ切るステージ。そして我らが新城幸也が、「狙っていく」と断言する2日間である。

「今日はお休み……ではなく、心拍数をある程度上げ、体全体に血液を巡らせるために、しっかりと走りました。チームの中でもかなりの好タイムが出たはずです(チーム3位のタイム)。明日、あさってに向けて、調子は万全です!」(新城幸也、ゴール後インタビューより)

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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