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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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生き残りをかけたエスケープ集団内の戦いは、1級峠直前に勃発した。数的有利を誇っていたロット・ソウダルの動きを利用して、シリル・ゴチエが独走を始めた。逃げの友たちは、しかし、諦めてはいなかった。じわじわと距離を詰めていくと、山の中腹で、フレンチライダーを捕らえた。続くカウンターアタックで、フィニッシュまで先頭を突っ走る権利を手にしたのは、ロッシュとアイマル・スベルディアだった。
「スベルディアと2人になってすぐに、お互いの意見が一致した。最後まで逃げ切りたければ、協力し合うべきだ、って。もしかしたら、ゴール前3、4kmで向こうが軽くアタックをかけてくるかも、と考えたけれど、実際はそんなことなく上手く協力し合った。だって、もたもたしている時間なんか、まるでなかったから」(ロッシュ、公式記者会見より)
なにしろ後ろからは、ボーナスタイムを狙うマイヨ・ロホ集団が、恐ろしい勢いで迫ってきていた。逃げ集団から単独で追いかけてきたホセイシドロマシエル・ゴンカルヴェスだって、ほんの20秒ほど後ろにいた。だから2人には、協力し合う以外の選択肢はなかった。ラスト1kmまで、先頭交代をきっちり行った。それからようやく、スプリントへの小さな駆け引きを行った。
「スベルディアが経験豊かな選手だということは知っていたし、クラシカ・サン・セバスチャンでは小集団スプリントで彼に負けたこともあった。だから、データの上では僕のほうが速いはずだったけど、上手く立ち回る必要があることは分かってた。猫とネズミの追いかけっこをするのではなく、速いスピードでそのまま駆け抜けることに決めた」(ロッシュ、公式記者会見より)
ラスト100mで加速したロッシュは、そのままスベルディアに先行を許すことなく、フィニッシュラインを真っ先に駆け抜けた。第10ステージまで総合4位につけていながらも、落車で臀部を痛め、総合争いから放り出された。それでも、「自分にぴったりなスペイン一周」を投げ出したりしなかった。第3週に、きっと自分が輝ける日がやってくる、そう信じて走り続けてきた。思いは実った。1987年にジロ・ツール・世界選手権の同一年制覇「トリプルクラウン」を成し遂げたステファン・ロッシュの息子であり、そしてこの秋には「(ブエルタのスポンサーブースで働く)デボラさんの夫」となる31歳が、2年ぶり2度目のスペイン一周区間勝利を手に入れた。
そのわずか38秒後に、総合1位から12位までの全選手を含む小集団が、フィニッシュラインへと雪崩れ込んだ。ゴンカルヴェスが18秒差で区間3位に滑り込んでいたから、ボーナスタイムはもはや残っていなかった。
ただ、ラスト20kmは、それこそアタックの応酬だった。きっかけを作ったのは、3秒差でマイヨ・ロホを追い求めるファビオ・アルだ。
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